「参考図書」というと、小中学校で苦しんだ思い出がよみがえる人もいるでしょうが、良い本を他人から教えてもらうというのはなかなか便利なもの。日経ビジネスに「ビジネス書」のコーナーや、ビジネス書月間売上げランキングが掲載されているのも、「自分で本を探すよりも、信頼の置ける人(もしくは会社や機関)から良い本を教えてもらいたい」という理由からでしょう。
ブログの世界に目を向けると、先日CNetが「Blog 100」という記事を発表しました。これは様々な分野において、「権威がある/有益な情報が掲載されている」とCNetが判断した100のブログを紹介するというもの。また米Technoratiでは、「Blog Finder」というサービスを始めています。これはリンク数をもとに、分野別(ブログの著者本人が申告したもの)にブログのランキングを紹介するというサービスで、「リンク数が多い=多くの人に注目されている」ブログを知ることができます。ブログが普及し、情報の氾濫が深刻化するなかで、こうした「読むべきブログ」を紹介するサービスの価値はますます高まって行くでしょう。
もっと個人レベルで、読むべきブログの情報を共有する仕組みが作れないでしょうか。この点について、WeBreakStuffというブログで、OPMLの技術を活用してブログの"Reading List"を作れないかというアイデアが紹介されています。
Reading lists, a new way for OPML (WeBreakStuff)
現在OPMLは、RSSリーダーにRSSフィードを一括登録する、RSSリーダーに登録されているRSSフィードの情報を一括保存する、というフィードのimport/exportのために使用されています。これを効果的にシェアする仕組み(RSSリーダーが定期的にWEB上のOPMLファイルを見に行って、そこに登録されているRSSフィードのデータを読み込むなど)があれば、他人と「読むべきブログ」の情報共有ができます。
技術的には何ら問題のないアイデアですから、すぐにでも実現する(もしくはどこかのサービスが既に実現している)仕組みだと思います。様々な人が自分のOPMLをリアルタイムでWEB上に公開するようになれば(WEB型RSSリーダーを使っていれば、既にリアルタイムでOPMLを更新しているわけですが)、ちょうどdel.icio.usが有益なウェブページを他人と共有するのに役立つように、有益なブログを知るのが簡単になるのではないでしょうか。
WEB型のRSSリーダーに、「指定されたユーザーのOPMLをシェアする/シェアしたOPMLに登録されているRSSフィードから取得した記事を指定のフォルダに入れる」という機能を追加するだけで、このアイデアは簡単に実現されるのですが。そしたら、著名人をユーザーに持つWEB型RSSリーダーが、一気にシェアを伸ばすかもしれません。「コトラー教授とRSSフィードを共有できる!」なんてのを売りにしたRSSリーダーがあったら、僕はとりあえずそのサービスにサインアップしときます。
将来的には、新聞/雑誌/テレビ系のWEBサイトには、お薦めブログがOPMLにまとめられて公開されている、というのが一般的になるかもしれませんね。
※文中のWeBreakStuff記事へのリンクが間違っていました。訂正しましたので、改めてご参照下さい。(10月13日午後11時50分)
ちなみに正しいリンクのURLはこちら:
http://webreakstuff.com/blog/2005/10/reading-lists-a-new-way-for-opml/
はじめまして。いつも読ませていただいています。
あまり普及してないのですが、 mySubscriptions.opml というファイルを自分のサイトに置いて見せ合おう、という試みが以前ありました。
今このファイル名で検索したところ、日記系.jp という日記サービスではユーザの購読状況がこのファイルで公開されているようですね。
http://nikki-k.jp/pag_usage.php/Mode.7
Bloglines やはてな RSS などのリーダーでも、このファイルを出力するようにしてくれれば、リストの公開は進むように思うのですが、やはり人によっては公開されることに抵抗があるでしょうから、選択式になるのでしょうかね。
投稿情報: 秋元 | 2005/10/13 20:06
秋元様、コメントありがとうございます。
僕も秋元さんのブログ、いつも拝見しております。秋元さんのRSSリーダーのOPMLも覗いてみたいところですが(笑)
なるほど、OPMLを共有しようという動きは以前からあったのですね。WeBreakStuffの記事を読んだ時に、既に実現されていてもおかしくないアイデアかなと感じていたのですが、日本でも実践されているサイトがあるとは思いませんでした。
確かに人によっては、登録しているブログを知られたくないと感じるかもしれませんね。ただ企業内などでは、「社員に一律で同じブログを読ませたい」というニーズがあるでしょうから、OPMLを自動更新することでRSSリーダーに登録されているブログを管理する、というような方向にも進むのかなと思います。(日立のSONARみたいな機能ですが・・・。)
投稿情報: アキヒト | 2005/10/14 00:11
たしかに。イントラネット向けであれば、他人に読ませたいものを読ませる、という機能がより重要になりそうですね。
会社の中では、同じ分野のニュースやブログ記事を皆で読んでいるわけですから、そのあたりの統計や推薦なども凝っていくと、外部のクリッピングサービスなんかを使わなくてもよくなるかも、と思います。
投稿情報: 秋元 | 2005/10/14 11:04
いろいろ考えると、OPMLに限らずちょっとした工夫で、優れたサービスが生まれてくるかもしれませんね。また「インターネット上のサービスをイントラネットに移植してみる」という発想も、何か面白い機能が生まれるきっかけになるかもしれません。(「社内FeedBurner」や「社内del.icio.us」とか。何の役に立つかは分かりませんが・・・。)
サイボウズさんの製品から新しい機能が生まれること、期待しております。
投稿情報: アキヒト | 2005/10/14 16:43