最近、矢継ぎ早に実験的サービスをリリースしているgooラボ。今日は新たに「次世代型ブログ検索実験~BlogRanger」のリリースがありました:
「BlogRanger」をgooラボで公開--4人のエージェントが検索結果を整理・分類(CNET Japan)
CNET記事の説明によれば、
BlogRangerは、キーワード入力による検索結果を、有用な4種類のフィルタを通して多角的に分類・整理して提示することで、入力したキーワード以外の視点からも情報を探し出すことを可能にしたサービスだ。
とのこと。ちなみに4種類のフィルタとは、「トピックで選ぶ」「ブロガーで選ぶ」「リンク先で選ぶ」「感想で選ぶ」で、それぞれ「トピック分類ラベル抽出技術」「情報提供者ランキング技術」「参照先リンク抽出技術」「評価表現ラベル抽出技術」という要素技術を応用して実現されています。
ブログに限らず、インターネット上にある情報を探し出す時、現在の検索エンジンでは(基本的に)キーワードを使って不要なデータをふるい落とすことになります。その「ふるい落とし」の条件として「トピック」「ブロガー」「リンク先」「感想」という4つの切り口が追加されたのが今回の実験サービスなわけです。それぞれ新たな使い道を提供するサービスだとは思いますが、正直なところ「いろんな属性情報が取れるようになったから、検索エンジンにしてみました!」というノリだけでリリースしてしまったような気もします。「BlogRanger」ということで戦隊モノに例えたならば、4つのサービスが協力して新しい「ワザ(機能)」を出す、というヒネリがあっても良かったと思うのですが。
とは言え、ブログ検索にも様々な検索条件が加えられるようになってきたことは歓迎したいと思います。これから実際に使ってみて、<追記>にまとめます。
<追記>
それでは実際に検索してみましょう。検索キーワードは「府中市美術館」です。
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まず普通に検索した状態では、「トピックで選ぶ(黄レンジャー)」が選択されています(クリックで拡大):
以前紹介したClustyのように(関連記事:日本語のクラスタリング検索エンジン)、トピックがクラスタリングされて表示されています。上の図は、クラスターをクリックしてドリルダウンしたところ。結構深くまで階層化されています。
次に「ブロガーで選ぶ(青レンジャー)」を選択したところ:
ご覧の通り、「ブロガーで選ぶ」の場合でも、各記事にはトピックが表示されるようになっています。この辺は「合体ワザ」っぽいかも。
次に「リンク先で選ぶ(桃レンジャー)」:
ここでは「キーワードに関連するリンク先」のコーナーに、各記事が参照している元記事が表示されています。記事の横に表示されている矢印ボタンを押すと、元記事が別ウィンドウで表示されます。
最後に「感想で選ぶ(赤レンジャー)」。以下の画面では感想は1階層だけですが、「トピックで選ぶ」と同様、多階層になる場合もあります:
よく見ていただけると分かると思いますが、ブログ本文中では「美し(さ)」と書かれている単語が「美しい」という属性として把握されています。ここはすごいところですね。ただ上の「いけない」はブログ本文では「行けない」という意味の単語で、正確には感情表現ではないのですが。この辺はもっと精度を上げる必要があるようです。
これで4機能。使ってみた感想としては、まだまだチューンナップが必要といったところでしょうか。各機能の長所・短所は何となく感じられるのですが、ただのキーワード検索とそれほど大きな違いを見出せませんでした。「府中美術館」というキーワードが悪かったせいもありますが、4つの機能を使わなくても、適切なキーワードさえ思いつけば自分の欲しい記事が取れそうですしね。その「適切なキーワード」を思いつかない場合に、BlogRangerの登場、となるのかもしれませんが。
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