WEBサービスではないのですが、サービス開発に参考になる記事があったのでリンクしておきます:
”巣鴨詣”が商品化のカギ シンプル携帯「ツーカーS」(nikkei.jp)
9月に『日経アソシエ』に掲載された記事とのこと。タイトルからお分かりの通り、シニア向けシンプル携帯「ツーカーS」の開発を解説した記事です。
「君の欲しい携帯を作ってはいけない。」これが開発者に下された指令だったそうです。携帯電話といえば、キャズム理論で言うところの「レイトマジョリティ」層まで浸透している製品。携帯電話にとってシニア層は「ラガード」に相当する市場ですから、「自分が欲しい携帯」を作っている限り攻略は不可能だったでしょう。
しかしご存知の通り、ツーカーSはヒット商品となり、ツーカーのユーザー数を純増させる原動力となりました。「巣鴨詣」など、成功の理由はいくつかあると思いますが、1つ面白いと思ったのはこの部分:
シニアが安心して使えるのは、ダイヤル式の黒電話がプッシュ式に移行したころの家庭用電話や公衆電話であることが見えてきた。
つまりツーカーSにはモデルがあったのですね。確かにシニア層が慣れているであろう仕組みを見出し、それを目指せば、使いやすい製品ができあがるはずです。モデルを見出すこと自体難しいことですが、それを設定して目標とするという開発手法は、WEBアプリケーションの開発でも応用できるでしょう。
WEBアプリケーションはまだまだ「レイトマジョリティ」や「ラガード」層を目指さなくても良いサービスですが、逆に「イノベーター」層だけに注目が向かいがちだと思います。イノベーターだけに使ってもらえばいい、というなら問題ありませんが、広い市場を目指すのならば「ツーカーS」並みにユーザーの視点に立つ努力をすることが必要でしょう。自戒を込めて、日経の記事の見出しをもじって「君の欲しいサービスを作ってはいけない」と記しておきたいと思います。
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