今日の日経産業新聞に、「商品をオミヤゲとして見てみよう」というアイデアが載っていました:
動態人口で見る商圏 「お土産」の視点、商品開発に必要(日経産業新聞2006年2月22日第5面)
ネット上には記事が出ていないので、導入部分だけを引用しておきます:
新しい商圏認識、顧客認識が必要な時代になってきた。従来は、基本的にそこに住む定住型の固定人口が基本になってきただろう。しかし進行する移動の次代、観光の時代の視点から見れば、流動人口、動態人口で見ることが大切なのだ。
そして記事は、「これからはどんな商品も動態顧客に対する”お土産”の視点で見る必要がある」「いま目の前にある商品をお土産と考えたらどうなるか、そこを研究してみて欲しい」と訴えています。
「お土産を作る」という考え方は、観光地では何も目新しいものではないでしょう。例えば「温泉饅頭」などは地元の人々が日常的に消費するために開発されたものではなく、温泉にやってきた人々が「観光地らしさ」を感じたり、お土産として持ち帰って「旅行してきた」ということを証明(?)するためのものです。形として残るものであれば、「旅行」という経験を残しておくためのものかもしれません。いずれにせよ、記事の言う「動態顧客」のための商品なわけです。
この視点を、普段生活で使う日常品に取り入れたらどうなるでしょうか。自分の近所の話で申し訳ありませんが、例えば三鷹の商店街で文具店を経営している人がいるとしましょう。このお店で日常品として、書道用品を扱っているとします。
(画像は株式会社四徳のページから借用しました)
三鷹はICUなどもあり、意外と外国の方々を目にすることが多い土地です。書道用品を「日本文化を象徴する品」と捉えて、筆や墨などをセットにして巾着袋に入れて売り出したらどうなるでしょう。これまで「日常品」として売られていた書道用品はとたんに「日本を旅行したときのエキゾチックなお土産」になり、外国人旅行客という新たな客層を獲得することになるのではないでしょうか。
要は「自分の店の周りにどんな人々が来ていて、どんな売り方をすれば買ってくれるか」を考え直すということなのですが。「オミヤゲ化」というキーワードをつけることによって、イメージを発展させやすいように思います。例えば通勤を「旅」と捉えて、オフィス街で働く人々を全て「旅人」だと考えれば、彼らが自宅に帰るときのオミヤゲを用意してあげても良いわけです。ビジネスマンがランチで使うカフェで、お土産にピッタリな(持ち運びしやすい、腐らない、女性・子供ウケする味とデザイン、価格が手頃など)お菓子を売り出し、ランチ+アルファの出費をしてもらうことを狙う--なんんてアイデアにつながるのではないかと思います。
残念ながらWEBサービスには「商圏」という概念は無い(言葉の壁etc.が商圏になる?)ので、「オミヤゲ化」のアイデアは当てはめにくいのですが。「どんな人々が潜在的なサービス利用者になり得るのか/彼らに利用してもらうには何を工夫すれば良いか」を常に意識することは大切だと思います。
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