タイトル通り、ソースネクストが年間更新料ゼロ円のアンチウィルスソフトを発売するというニュース:
■ ソースネクスト、ウイルス対策ソフトの年間更新料を0円に(@IT)
パターンファイルの年間更新料がゼロになる代わりに、本体価格が若干高くなるそうです。しかし長期間使う前提であれば、最終的にはおトクになるという計算です。
ソースネクストが今回の決断に踏み切ったのは、「セキュリティ対策ソフトの期間更新の際に不満に思ったことのあるユーザー」が「セキュリティ対策ソフトの期間更新を行ったことのあるユーザー」のうち6割に上がることが独自調査の結果明らかになったからだそうです。確かに更新料金の高さや、期限切れが近づいたことを知らせるメッセージの煩わしさを不満に感じていたユーザーは多いでしょう。ソースネクストの新製品に魅力を感じるユーザーは少なくないと思います。
ソースネクストの製品が成功するかどうかは分かりませんが、髭剃り(本体を安価に+替え刃を高価に)やプリンタ(本体を安価に+インクカートリッジを高価に)といった「囲い込み型」のビジネスモデルを打ち破ろうとする製品がまた1つ現れたことを歓迎したいと思います。メーカー側は様々な理由から付属製品の価格を高く設定しますが、囲い込みにより実質的な競争が無くなる以上、価格に対する不信感はぬぐえません。また「更新を促すメッセージがところかまわず表示される」などといった点も、競争の喪失によりユーザーのことを考えるインセンティブが無くなった結果でしょう。今回、もしソースネクストの新ビジネスモデルが成功したら、他のベンダーは高い更新料を要求することをどう説明するのでしょうか。
ウィルス対策ソフトのビジネスモデルに精通しているわけではないので、勝手なことを言うようですが、今回のソースネクストの動きがきっかけで様々なモデルが現れることを期待します。期間ではなく「回数」で課金するもの、破壊力が強いウィルスだけを対象にするもの、第3者が作ったパターンファイルでも読み込んでくれるものなどなど。オープンソフト的に、全世界の有志が無償でパターンファイルを更新する、なんてモデルも考えられるかもしれません。いや僕が知らないだけで、もうそんな試みがスタートしているのかも?
ちょっと話題としてずれてしまいますが、そもそもこのアンチウィルスという市場って、不健全な気がしませんか?
リアルな社会での防犯セキュリティ市場と同じ構図ではありますが、なにかこう釈然としないんですよね。ウィルス自体を根絶することが先決なのだと思うのですが…
ソーシャルな面が強くて、かえって難しいのでしょうか??
なにかこう対価として得られるものがネガティブな感じがするんですよね。消耗品のランニングや通信費で稼ぐモデルともそもそも違うというか、大きな罠にはまっているというか…(笑)
投稿情報: p-article | 2006/05/30 16:20
確かに「お宅の子供の安全を守るには、このGPS付き防犯ブザーがありますぜ。いまなら本体100円!ただし年会費5万円」と言い出す企業があったら釈然としないですよね。しかもそんな企業で市場が占められているのだとしたら、可愛い我が子を守るためとはいえ「その年会費って妥当なものなの?」と感じてしまうでしょう。
ただ、だからと言って警備会社に犯罪の撲滅を望むのも難しいわけですし・・・やはり「地域で守る(=オープンソース革命?)」といった全く別のモデルが必要になるのでしょう。
投稿情報: アキヒト | 2006/05/30 20:49