「生活パターン」ってやつがありますが、どの程度正確ですか?正確という表現は適切ではないかもしれません---つまり「朝7時に起きて、9時に会社に行き、残業して夜10時に帰宅、12時には寝る」といったリズムを仮に一般的だとするならば、どの程度この基準から「乱れて」いるでしょうか。またたとえ「乱れた」リズムであっても、それが規則正しく続いているでしょうか。
僕の仕事はお客さまによってリズムが変わるものなので、長い目で見ればとても「規則正しい」とは言えません。加えて子供が生まれてからは、子供が思わぬ事件(?)を起こしてくれたりするので、リズムが狂うことはしょっちゅう。しかし狂ったリズムの中からも、思わぬ発見があります。
例えば何らかの理由で会社に遅れて行くときに、電車に思わぬ客層(学生や年配の方々など)が乗っていて「この時間はこんな人々がいるのか」と気付いたり、遅く帰った日に「このお店は夜遅くになるとこんなに繁盛しているのか」と気付いたりなど。そんな言わば「ニッチな時間」を攻めることが新しいビジネスにつながる、という記事が今朝の日経新聞に掲載されていました:
■ 消費をつかむ 第1部 300兆円のきまぐれ [3] -- マック25時 「時間」が生むヒット商品(日本経済新聞 2006年5月10日 第1面)
先日から始まった「消費をつかむ」という面白い特集ですが、この中で「深夜と早朝マーケット」を狙うことについて解説されています。
例えばマクドナルドのケース。日本マクドナルドでは昨年から実験的に朝と夜、営業時間を拡大し、「社会人が深夜や早朝の新市場をつくる」という仮説にたどり着いたそうです。記事を引用すると:
マックは来客店のうち30歳以上が2割強で17歳以下を上回る。24時間店を5月下旬から10倍の200店に広げる予定だ。「深夜の食市場は4200億円」。全店の売上高に匹敵する。
とのことですから、決して無視できないマーケットです。とても「ニッチ」な時間などではないのでしょう。
「深夜」「早朝」といった大きな時間帯でなくても、例えば「保育施設に子供を送っていった帰り道のお母さんを狙ったタイムセール(午前8時~午前10時)とか、急な仕事で子供を迎えにいけなくなった両親の代わりに、保育施設に子供を迎えに行って夜遅くまで預かってくれるサービス(午後5時~午前12時)などなど、より「ニッチ」という表現が相応しいサービスが考えられるかもしれません。いずれにしても、現代人の生活パターンの乱れが、新たなビジネスを生み出しつつあるということなのですね。
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