ちょっと前にスマッチ!ブログの方で「売りに出されていない住宅物件まで値付けできるサイト」というものについて記事を書きました:
ちなみにそのサービス(残念ながらフィンランド語オンリー)はこちら:
■ Igglo
簡単に説明しておくと、ヘルシンキにある建物(売りに出されている/出されていない関係なく)が全てデータベース化されていて、ユーザーは勝手に各物件に値付けができるようになっています。で、売り手(もしくは単に自分の住宅の評価に興味がある人)は自分の建物に付いている値段を見て、「これくらいなら売っても良い」と感じたら Igglo の仲介で交渉を始められるというもの(当然、交渉完了まで買い手が誰かは売り手には開示されないようです)。首尾よく売買が成立したら Igglo が手数料を得る、という仕組み。
スマッチ!にエントリした時から考えていたのですが、この「売るかどうかは別にして、とにかく値段を付けてしまう」というアイデア、他に流用が可能なのではないでしょうか。たとえばこんな分野:
(1) 転職
ブログやSNSなど、ある程度ネット上で自分の考えや素性なりを明かしている人々を勝手にエントリ。で、企業がオファー(年俸や条件など)を入力可能にしておく。オファーの方はある程度(企業名が特定されないぐらいまで)オープンにしておき、企業間の競争を煽るとともに、転職に興味がない人物でも「ちょっと覗いてみようかな」程度の感覚でアクセスできるようにする。そして「転職する気はさらさら無かったけど、こんな仕事ができるなら・・・」と感じたならば、サイト運営者に仲介を依頼する(もちろん仲介料は企業側に支払ってもらう)。
(2) 雑貨
オークションとまったく同じシステムを持つサイトを開設。もしくは Amazon が行っているように、ネット通販サイトで過去の購入履歴を保存しておき、勝手にオークションに出品する(Amazon がやっているのは「¥○○○で売れる可能性があります!」と表示するところまでですが)。ただし出品者が「売る」と宣言するまで、入札があっても売る責任は一切発生しない。出品者にとっては、自分の持ち物が市場でどれくらいで評価されるのかを確認できると共に、「こんなの買う人いないだろ」と思っていたものが意外な高値を付ける楽しみを味わえる(その場合は売りに出しても、単に自己満足を感じるだけでもよい)。また「こんなモノを持っている」と表明することで、「持ち物」で他のユーザーとつながるSNS的な役割を果たせるかも。
(3) 知識
QAサイトの逆バージョン。回答者(となる人)が、自分が答えられることをリストアップしておく。サイトは高度な検索機能を備えていて、質問者が調べたいことを入力すると、回答してくれる可能性のあるユーザーが表示される(ヤフオク的な「回答者の評価」表示付きで)。後は回答者に対して、質問内容とオファー、回答期限を入力し、回答者はオファーされた金額でOKならば期限までに返答する。返答された内容が質問者の要望を満たさなくてもお金は返ってこないが、質問者は「回答者の評価」機能を通じて批判することができる。
(1) ~ (3) いずれも簡単には売り手/買い手を集めることはできないと思いますが、「どうせこんなもの売れないだろ」「売りに出す手間がかったるい」などといった様々な理由から「隠れて」いた需要/供給を表に出す効果が期待できるのではないかと思います。Igglo 方式が応用できる分野は意外に多いのでは、と思うのですがどうでしょうか。
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