昨日は某コナミ製ゲームが基になったホラー映画を観てきたのですが、その中に「悪は我々を油断させるような姿でやってくる」というようなセリフがありました。今日の日経産業新聞に載っていた記事を読んで、「あれはペンギンのことを指していた言葉だったのか・・・」と実感(なわけないけど):
■ マニュアルNOW -- 危険回避の情報 もっと提供を (日経産業新聞 2006年7月18日 第5面)
JR東日本が提供する「モバイルSuica」の登録方法に関するヘルプ情報(ガイドブックとWEBサイト)が、分かりづらいものになっていることを指摘した記事。当然ですがガイドブックは手元にないので、WEBサイトの解説ページの方をチェックしてみたところ、確かにゴチャゴチャした感じ。ペンギンの可愛らしさに気を緩めていると、説明について行けなくなります。
まずモバイルSuica解説のトップページ(以下のスクリーンショット参照)ですが、どこに「会員登録にはどのような手順が必要か」を確認できるページへのリンクがあるかすぐには分かりません。中央に「会員登録はコチラから!」というメニューがあり、ここは文字通り会員登録を行うためのページへのリンクです。実はその上にあるグローバルナビゲーションの「→会員登録しよう!」が登録手順を紹介したページへのリンクなのですが、登録を実行するページへのリンクのように感じられてしまうのです。
「→会員登録しよう!」をクリックするとヘルプページに遷移します。ヘルプ自身は全4ページなのですが、これが日経の記事で批判されていた部分。百聞は一見にしかず、で時間のある方はチェックしてみて下さい:
うーん、確かに分かりにくいかも。条件分岐があるにも関わらず、個々のステップをずらずらと並べてしまっていることが一因でしょうか。しかもヘルプは注意書きの部分を除き、テキストではなく画像で作られています(紙のガイドブックとほぼ同じ情報が掲載されているそうなので、もしかしたらガイドブックのコンテンツをそのまま画像化したのかもしれません)。従って文字の拡大は不可能。優しそうなカオをしているのに、なかなかお年寄りに厳しいペンギンです(そういえば不適な笑みを浮かべている・・・):
またこれらのヘルプを見て、自分が何をすれば良いか・どんな流れで作業を行うかをすぐに把握するのは困難でしょう。「システムが複雑に作られてるのだから仕方ない」と言ってしまえばそれまでですが、せめてヘルプのトップページ(以下のスクリーンショット参照)上で「パソコンを使う場合/使わない場合」「Suica定期券を切り替える場合/必要ない場合」などのパターンに分けて、それぞれの全体フローを図解しておいても良いのではないでしょうか。
また上図では、テキストでは「アプリのダウンロード」「会員登録」「PC利用者向けオススメ機能の仮会員登録」の3つのステップしか触れられていないにもかかわらず、下のメニューには「Suica定期券を切り替える」という新しいパートが登場しています。この整合性の無さも、なんとなく違和感を感じる部分なのかも。
といろいろ突っ込みを入れてしまいましたが、自分も仕事上でマニュアルを作る場合があるので、自戒を込めてまとめ。
- 曖昧な文言は致命的。
- マニュアルこそユニバーサルデザインが必要。
- 長いマニュアルには全体を俯瞰するパートを。
- 紙媒体/WEB/その他、メディアに応じて内容変更を。使いまわしはドツボにハマる。
- 説明は過不足なく。
- 可愛いキャラはマニュアルには不要。
ただし6.は研究の余地ありでしょうか。マニュアルが分かりづらくてストレスが溜まったときに、癒してくれる効果があるのかも(ただし万人にウケるキャラである必要がありますが)。
この記事には書いてありませんが、iアプリを3つも、別々にダウンロード、インストールしなければいけないということが、最大、最難関のハードルです。多少の心得があると自負する私でも、途中何度くじけそうになったか・・・。
投稿情報: カザリヤ | 2006/07/18 18:51