SNSと雑誌の関係とは?というと、様々な要素を考えられそうですが、それだけに様々な解釈が可能になりそうなニュース:
■ MySpace: The Magazine (Advertising Age)
MySpace と言えば、若年層を中心に人気を集めているSNS・・・という説明も不要なくらい日本でも有名ですが、なんとその MySpace が雑誌を刊行することを検討中とのこと。MySpace 内で有名なメンバーを取り上げ、彼らの素顔や興味に迫るといった内容になるそうです。
また記事では MySpace が雑誌の刊行を、ビジネスモデルの1つとして考えているような解説がされています。だとすると、ペラペラのフリーペーパーを二束三文で配るといった感覚ではなく、きっちりと装てんされた本をそれなりの価格で売る、という感じになるのでしょうか。
深く考えてみたい面白いニュースなのですが、例によってちょっと時間がないので、思ったことを簡単に。僕はこの"MySpace Magazine"、意外に需要があるのではと思います。SNS が肥大化すれば、「村」や「コミュニティ」といったものが生まれ、同じサービスの参加者であってもまったく異なる世界に住み、異なる経験をしているということがあり得ます。そんな状況で、MySpace という世界全体を俯瞰し、ナビゲートしてくれる役目を"MySpace Magazine"が担ってくれるのではないでしょうか。
それはデジタルでは無理なの?と言われると、うーんとうなってしまいますが、雑誌の持つ「網羅性」や「意外性(探していなかった情報にも偶然目が留まる、という意味)」が、「世界を俯瞰する」のには適していると思います。どうしてもデジタルにコンテンツが提供されると、検索やカテゴリ分けによって結局「自分の世界」に属していないものからは離れていってしまいますし。
また「保管性」という面でも、SNS内のコンテンツを雑誌化するメリットはあるのではないでしょうか。これはちょっとうまい例が見つかりませんが、例えばSNS内で盛り上がった話題があって、そのままではコンテンツの積み重ねに埋もれてしまう・・・という状況で、価値のある情報を切り取って雑誌化する、というのは価値を見出す人が多いように思います。
しかし日本でも、「Mixi Magazine」なんて登場する時代がやってくるのでしょうか。Yahoo!の雑誌があるくらいだから、日本の方が逆に受け入れられやすいかな。
コミュニティ内で閉鎖的に話していた内容が、いきなり全国的に雑誌に載ると困ると言うことはないでしょうか?
投稿情報: itochan | 2006/08/26 12:40
確かに。その辺りの「載せる/載せない」は、著作権と絡めて問題になりそうですね。"mixi Magazine"が生まれるとしたら、コミュニティの設定に「紙面掲載を許可する/しない」というラジオボタンが登場したりして。
投稿情報: アキヒト | 2006/08/26 12:53
確かにその昔Niftyも会員誌を発行して、そのうちそれは雑誌として書店売りをされたような記憶があります。
もともと日記として書かれたものをベースに記事化するのであれば編集コストはかなり節約できそうですし、プレミア会員に送付する仕組みにして会費を値上げするというモデルもありそうです。
ただ日本の雑誌の場合は、収益モデルは販売代金収入よりは広告のほうに寄っているはずなので、このあたりでノウハウを持つリクルートあたりと組んだりすると面白いかも。
なんとなくこのエントリーの予言は近々あたるような気がします。
投稿情報: yoshikawa | 2006/08/27 13:15
> 確かにその昔Niftyも会員誌を発行して、そのうちそれは雑誌として書店売りをされたような記憶があります。
おぉ、ここでもSNSはかつてのパソコン通信と被ってくるのですね。吉川さん、情報ありがとうございます。
確かにリクルート辺りと組んで、雑誌広告の仕組みで収入を得るようにしたら面白くなりそうですね。アメリカで思いつく人がいるくらいですから、このエントリーが実現となる可能性もある・・・と信じて待っていますw
投稿情報: アキヒト | 2006/08/29 02:18
PC-雑誌という相互補完の関係の延長としての、PC-携帯電話という構図もあるのかなとおもったりします。
携帯電話では、やはり探索型のサービスは不向きだというところもあるかとおもうので、編集という思想がはいることで、なにかしら雑誌的な情報提供のしかたもあるのかと思ったり。
もちろん、紙媒体としての役割もあると認識してますが。
投稿情報: p-article | 2006/08/30 11:08
PCを念頭に置いて蓄積されたデータが、雑誌や携帯電話など、様々な「端末」に加工されていく可能性があると言えるのでしょうか。仰る通り、雑誌的な情報提供の仕方もあるでしょうし、まったく別の発想を取り入れることも可能かもしれません(それが思いついたら大儲けできているでしょうが・・・)。そう考えると、SNSはもうワンクッション成長のステージがあるかもしれませんね。
投稿情報: アキヒト | 2006/08/31 18:34