週末なのでサラッと。「出されたアイデアを批判するな」「(アイデアの)質より量を目指せ」など、ブレインストーミングに関する Tips は既に数多く存在していますが、最近の Business Week でもこんな記事が出ていました:
■ Eight Rules To Brilliant Brainstorming (Business Week Online)
"Eight Rules"ってことで8つの提言がなされています。曰く:
- アイデアを出すだけならブレインストーミングは時間の無駄(「目安箱」でも設置しておけば十分!)。出されたアイデアをつなげてみたり、ふくらませてみたりする場にせよ。
- いくらブレインストーミングが「何を言っても許される場」だったとしても、毎年従業員の10%がリストラされるような職場では、自由な発言など望めない。そのような環境でのブレインストーミングは諦めよ。
- 創造性は、一人でアイデアを考える行為と集団で考える行為の融合により生まれる。グループでのブレインストーミング・セッションの前後に、個人でブレインストーミングせよ。
- 生まれたアイデアが行動につながらなければ、ブレインストーミングは時間の無駄。
- ブレインストーミングに参加するのも、ブレインストーミングをファシリテートするのもどちらも技術と経験を要求される。特にファシリテーターは重要だ。ファシリテーションのスキルはリーダーシップスキルの1つであり、習得には時間がかかることを認識せよ。
- ブレインストーミングには競争心が大切だが、「よいアイデアを出したものに褒美を与える」などという方法は誤りだ。グループが全体として議論に貢献し、良い結果を出すように競争が行われるべきであり、そのために正しい手を打つこと。
- ブレインストーミングは単なるアイデア出し以上の場となる。例えばIDEOでは、ブレインストーミングのために幅広い部門・分野の人々が一堂に会することで、知識が共有されたり、ミックスされたりする効果が生まれている。直接的なゴールはアイデア出しでも、クリエイティブな仕事には欠かせない効果が同時に生まれていることを認識せよ。
- ルールに従え。さもなくば、それはブレインストーミングではない。
ブレインストーミングの進め方というよりも、それが行われる環境や、前後に何が起きているか・何が行われるべきかという点に関する助言が含まれているのがユニークなところでしょうか。確かにブレインストーミングは万能薬ではなく、それと周囲の環境がどう関わっているかによって効果が大きく左右されるわけで、ブレインストーミングそのものに目を向けているだけでは不十分なのでしょう。
また「単なるアイデア出しなら目安箱(従業員からアイデアを募集するシステム)で十分」というのもその通りですね。「これってただ一人一人の意見をホワイトボードに書いているだけじゃ・・・」っていうミーティングも多かったりして。その場にいて同じ時間と空間を共有しているからこそ、初めて得られる結果や効果というものを重視しなければならないと思います。
実際、最近はブログやSNS、Wikiなどを通じ、ネット上だけでも多くの議論が行えるようになりました。ほとんど顔を合わせなくても、ある課題について多くのことを決定できてしまうほど。一方で「合宿」という形態で議論することも流行っていたりして、バーチャル/リアルの議論のあり方・補完関係というものが見直されつつあるのでしょう。顔をつき合わせて行う「ブレインストーミング」という手法にも、これから全く新しい価値(上記7.のような知識/社内文化共有機能など)が見出されていくのかもしれません。
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