最近「X個の~」をしてなかったので、久しぶりに:
■ 10 Things We Can Learn From Apple (Basement.org)
アップルがコアなファンを獲得している理由を解析して、10コにまとめたもの。なんか語り尽くされた感のあるテーマですが、たまにはベタに思い返してみるのもいいのでは。
1. ユーザー経験の全体像を把握する
アップルはソフトだけでなく、ハードも手がけているので、ユーザーが感じる経験の全体像を把握してプロデュースできる。ex. iPod × iTunes
2. シンプル・イズ・ベスト
アップルのソフト/ハードはインターフェースが極力シンプルになっている(iPod には電源スイッチすら無いでしょ)。機能やメニューが少なくなれば、トラブルの可能性も減るし、ユーザーが覚えなければならないことも減る。
3. デザインに共通点を持たせる
例えば、iPod と Apple remote を比べてみよう(余談ですが、先日 MacBook を買ったときに、中に入っていた Apple remote を見て「iPod Shuffle がオマケなの?」と勘違いしてしまいました……恥ずかしい)。デザインに共通点を持たせることで、ユーザーが慣れるのに必要な時間を減らし、ブランドイメージも強化できる。
4. 新製品を紹介する相手は「ユーザー個人」
アップルは新製品の発表を、プレスリリースで終わらせるような会社ではない。スティーブ・ジョブスがファンに語りかけるようなプレゼンを行い、話題はブロガーの間から広まっていく。また紹介の直後から、製品/サービスが購入可能になっていることが多い。
5. ハードをコントロールする
ジョブスは iPhone 発表の際、「優れたソフトをつくりたければ、ハードをコントロールしなければならない」と語っていた。ずば抜けたユーザー体験を生み出すには、ソフトとハード両面を組み合わせて1枚の絵にする必要がある。
6. テクノロジーを感じさせない
例えば iPod には、目に見える部分にネジが使われていない。ハイテク製品でありながらテクノロジーを感じさせないことで、より日常的で身近な存在になるようにしている。
7. 自由に触れさせる
アップルストアが成功したのは、お客に製品を自由に触らせて、遊ばせるようにしたからだ。それは自社の製品の使いやすさに自信があり、お客を信頼している企業でなければできない。
8. 理性と感情の両面に訴える
アップルの製品には個性があり、人間的だ。理性だけでなく、感情にも訴えてくるものがある。
9. 新しいデザイン=新発明
iPod 登場前から、MP3プレーヤーは存在していた。しかしアップルが優れたデザインでMP3プレーヤーを再定義したために、多くの人々に使われる製品となった。アップルは同じことを Space (バーチャルデスクトップ)で行おうとしているが、これも多くの人々にとって「新発明」として捉えられるだろう。
10. 人がすべて
アップルは自社の生み出すあらゆるモノ(製品やサービスだけでなく、そのパッケージに至るまで)が「人間」によって触れられることを理解している。そしてその視点から細部に至るまでデザインを行っている。
こんな感じ(例によって意訳してます)。「デザインという
1.と2.(5.)、それから9.のあたりは、『iPodは何を変えたのか?』でも詳しく解説されている内容ですが、ソフトとハードの両面からユーザーのニーズにアプローチできるのがアップルの強み(と同時に弱み)であるわけですね。それに卓越したデザイン力を加えることによって、他社に真似できないユーザー体験を生み出しているのでしょう。従って上記の10項目は、どれか1つ~2つを取り出して真似するだけでも効果があるというものではなく、その全てを理解して徹底する必要があります(ついでに言うなら、上記の10項目では語られなかった「マーケティング戦略の上手さ」という点も)。あくまでも第2のアップルを目指すのなら、ですが。
アップルに限らず、自分が好感を抱く企業・製品・サービスなどの成分解析をして教訓を探してみるのは大切ですね。最高なのは、自分がそんな目標とされる存在に関わることですが。
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