宿題をしているとテレビが気になってしまう、仕事をしているとネットが気になってしまう。そんな「注意力散漫」な状態は誰しも経験があると思いますが、集中力の無さを客観的に計測できるテストが開発されてしまったそうです:
■ Are You Easily Distracted? A New Psychological Test Measures Distractibility (Science Daily)
UCL(University College London)の心理学者、Nilli Lavie 教授の開発したテストと、その実験結果について。計測方法はいくつかあるようですが、例えば以下のようなテストが紹介されています:
- 61人の被験者に対して行われたテスト。コンピュータを使用したもので、画面上にはある文字(アルファベット)が円形に並べられている。被験者はその中から、1つだけ違う文字(Kの中にあるXなど)を見つけ出さなければならない。
- ところが画面上の無関係な位置に文字が現れ、ジャマをする(注意を逸らそうとする)。
- その状態で、被験者は答えとなる文字を見つけ、キーを押さなければならない。反応時間が遅ければ遅いほど「注意力散漫」。
こんな感じ。なんだかIQテストを彷彿とさせますが、Lavie 教授曰く「このテストは客観的でごまかすことはできない」と豪語しています。商業化して一般的にこのテストが行えるようにすることも可能とのこと。
確かに客観的に「注意力散漫度」を計ることができるのかもしれませんが、過剰に使われるようになってしまうのが心配。つまり原子力発電所の就職試験(そんなものがあるかどうか知らないけど)などにはこのテストを導入して欲しいと思いますが、普通の企業で選考の一部にはなって欲しくないですよね。記事でも指摘されていますが、注意力に関係なく成功できる職業(学者や作家など)もあるのですから。しかし日本人はこういうの好きだから、商業化されたらあらゆる企業で導入するんだろうな(対策本とかも生まれたりして)。
ただ Lavie 教授の実験では、「難しいタスクを行っている最中はどんな人でも注意力が上がる」ことが実証されたそうです。まぁある意味当然なのですが、この原理を応用して、注意力散漫な人の集中力を上げるトレーニングも開発可能とのこと。ぜひテストの前に、トレーニングの方の商業化をお願いします。
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