僕の娘はまだ小さいので、簡単なお人形さん遊びしかしないのですが、おままごとの真似事(?)をするようになりました。そろそろ「リカちゃん」のような人形を欲しがるかな……と思っているのですが、もしかしたら欲しがるのは人形ではないかもしれません:
■ Doll Web Sites Drive Girls to Stay Home and Play (New York Times)
いまアメリカで"Cartoon Doll Emporium"なるサービスが小さい女の子に人気とのこと。以下にスクリーンショットを掲載しましたが、こんな風に原色で目が痛くなりそうなサイトで(女の子の好みは世界共通?)、「アバター機能が充実したSNS」といったところでしょうか。有料サービス(1ヶ月$6.99)で、メンバーになると「バーチャルドール」なるものを作ることが可能。この「人形」の髪型・洋服・アクセサリーなどを着せ替えたり、他のユーザーと交流したりして遊ぶわけですね。ちなみにユーザーの96%までが8~14歳の女の子で占められているそうです。
New York Times は Cartoon Doll Emporium を「補助輪つきの MySpace」と表現していますが、親にとっても安心なサービスと言えるかもしれません。料金はクレジットカードで支払わなければならないので、おかしな人物が匿名で参加するのは不可能。料金は毎月発生しますが、洋服・アクセサリー等は無料とのことなので、トータルで考えたら安上がりかも……と思わせませす。思わせるだけ、かもしれませんが(案の上、「選べる人形が増える」などの有料プレミアム・サービスがあるそうなので)。
こうしたサービスは急激に人気を集めていて、同様のサイトがいくつも立ち上がっているのだとか。そうなると、割を食うのは「本当の」人形です。バーチャルで人形遊びをしているのなら、その分リアルで人形遊びをする時間が減る -- そうした懸念からか、バービーで有名なマテル社も"BarbieGirls.com"という類似サービスを立ち上げたそうです。
安全性に配慮されているとはいえ、小さい子供がオンラインで遊ぶことに対する懸念は残されるでしょう(類似サービスの中には、広告収入に頼ってユーザーには課金しないものも)。しかし自分の「人形」を自由にアレンジできるうえ、いつでも誰かとコミュニケーションできる世界があれば、子供がそれに夢中になるのは当然です。リアルでの人形遊びは完全に無くなりはしないにせよ、その大部分が「バーチャルおままごと」に置き換えられるのではないでしょうか。
もしかしたら、バーチャルで人気を集めた人形が、リアルで現実の人形として発売されるようになるかもしれません。実際、セガのアミューズメント機「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」内でキャラクターが着ていた服が現実の服として発売されたという例もありますから、リカちゃんに代わる人形が「日本版 Cartoon Doll Emporium」から生まれた……などと数年後に語られている可能性はあると思います。考えてみれば、他にも「ゲーム->(手で触れられる)玩具」という事例は数多くありますし、今後は「子供向けWEB2.0 -> 玩具」という流れも普通になるのかもしれませんね。
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