日本ではまだまだ「大企業の幹部がブログを書く」なんて稀なケースですが、変にITリテラシーが高くてもこんな事件が起きるのかもしれません:
■ ホールフーズのマッケイCEO、ヤフーのフォーラムに仮名で投稿 (NIKKEI NET)
ちなみに元記事はこちら(日経の記事は下記記事の途中までが翻訳されています):
■ Whole Foods Is Hot, Wild Oats a Dud -- So Said 'Rahodeb' (Wall Street Journal)
Yahoo! News にも掲載されていたので、ご存知の方も多いかも(僕はたったいま発見したとこですが)。米国で自然派食材のお店として人気のスーパーマーケットチェーン「ホールフーズ(Whole Foods Market Inc.)」のCEO、John Mackey 氏が Yahoo! Finance の掲示板に書き込みをしていた事実が明らかになって……という話。単に書き込みをしてるだけだったら良かったのですが、匿名でしかも競合他社(Wild Oats Markets)をけなすような内容だったから大変。さらに書き込みが行われていたのが Wild Oats Markets を買収しようとしていた最中だったために、買収に問題がないか調査していた FTC(Federal Trade Commission、日本の公正取引委員会のようなもの)に匿名書き込みの事実を暴露されてしまったというお粗末な話。ホールフーズ側もこの事実を認めています(ただし「悪いことじゃないでしょ?」と開き直っている様子)。
ホールフーズという企業は米国内でユニークな存在で、イノベーティブな経営をしているとして経営学系の雑誌でも取り上げられたりしています。お店は明るくて店員も親切、およそ「アメリカのスーパー」という感じではありません(興味のある方は参考記事をどうぞ。ちなみに僕もボストンにいたとき頻繁に利用してました)。それだけに今回の不祥事は「意外」といった印象で、今後ブランドイメージにどのような影響があるのか懸念されるところです。
「ホールフーズのCEOがブログをやっている」ということだけは知っていたのですが、このニュースを読んで初めて実物を読んでみました。上記記事にもある通り、「マッケイ氏はホールフーズのウェブサイトの同氏のブログに、1万4000語に及ぶ長文を掲載しFTCの主張に激しく反論した」とのことですが、普段のエントリから長文を書くタイプだったようです:
■ The CEO's Blog — John Mackey
これを読むと、かなりネット上での情報発信が好きなタイプだったのかなぁという勝手な印象を受けます。Yahoo! Finance での書き込みも戦略的に「買収を優位に進めよう」って感じでやったというよりは、前後見境なく「面白いから匿名で書き込んじゃえ」でやったという感じ。こんなトップじゃ、ついていく人々が大変ですが……。
日本では決して、鈴木敏文氏がYahoo!ファイナンスで「イオングループなんて目じゃねー!」とか書き込むなんて事態は起きないのでしょうね。それがバレて、自身のブログで大反論を行うなんてことも(そもそも鈴木敏文ブログなんて無いし)。それはそれで、悲しい状況のような気もします。
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