「ネットと政治」というテーマでは米国の方が数年先を行っているわけですが、次の大統領選挙(2008年)に向けて、こんなサイトが登場しました:
大統領候補に向けて、自分が質問したいことをビデオで投稿しようというサイト。スポンサーには MSNBC や Daily Kos、Rocketboom なんかも名を連ねています。投稿(Round 1)は11月14日までとなっており、投稿された質問の中からユーザーによって「良い」と評価されたものが10個選ばれ、各党の大統領候補に提示されます。で、回答ラウンド(Round 2、11月17日から12月31日まで)では大統領候補側が回答ビデオを作成し、投稿するという流れ。質問側は分かりますが、果たして大統領候補が返事をくれるのでしょうか……?
ともあれ、質問ビデオはちらほら集まってきているようです。個々のビデオには「良い」「悪い」いずれかの投票が行えるようになっていて、「良い」の得票数から「悪い」の得票数を引いたものが得点となり、ランキングが決まる仕組み。ちなみにただいまの第1位はこちら:
ノースカロライナ州のルビーさんからの投稿。政府の透明性、および自身の選挙キャンペーンの透明性を向上させるために、何ができますか?と尋ねています。総得票数は1,023票、うち「良い」は753票で「悪い」が270票。結果483点となり、現在第1位となっています(いずれも現時点での数字)。また上にあるビデオは 10 Questions で発行されたコードをエンベッドしたものですが、ここでも投票が行えるようになっていますね。
ちなみに投稿は 10 Questions のサイトから行うのではなく、YouTube、MySpace、Yahoo Video、Blip.tv のいずれかのサイトでビデオをアップロードし、タグに"10questions"と付けられたものが自動的にピックアップされる仕組みになっています。
動画サイトと大統領選挙、という点ではこんなニュースもありましたね:
■ 候補者と動画で交流--YouTubeの大統領選特集サイト「You Choose '08」に新フォーラム (CNET Japan)
■ 動画で激論、初のユーチューブ討論会 米大統領選 (イザ!)
市民の声に直接触れる、という点では何もビデオでなくても良いと思うのですが、「実在の人物が顔を出して、動く映像で現れる」というインパクトはやはり大きいのかもしれません。また透明性という点では、「何を聞くか」ということもユーザーが左右できる 10 Questions の仕組みは優れていると思います。このサイトがどこまで話題を呼べるのか、注目ですね。
また 10 Questions と同じ仕組みを地方自治体や、大企業の中で行っても面白いかも(ex.「社長に聞こう!10の質問」)。ある種ゲーム的な感覚で行われることによって、普段は声を上げないような人々・隠れてしまっている意見が表に出てくる、という効果を期待できるかもしれません。
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