離婚は環境破壊

週末なので軽いネタということで。

最近は何をしても「それは環境破壊！」と言われてしまうわけですが、ついに「離婚は環境破壊」なんて説が登場したそうです：

■ A Really Inconvenient Truth: Divorce Is Not Green (ScienceDaily)

えーと、どこまで本気の話なのかは置いておいて。ミシガン州立大学の Jianguo "Jack" Liu と Eunice Yu という研究者が言い出した説です。しかし Proceedings of the National Academy of Sciences という学会誌に載るそうですから、冗談で研究してるわけではなさそう。

話は簡単：

• 夫婦だと、居住空間や家電など、様々なものが共有できる。
• しかし離婚してしまうと、それぞれ別々の家に住み、家電製品などが倍必要になる。
• 従って余分なエネルギーが消費される。

という理屈。これに様々なデータ（離婚した家庭では、1人あたり部屋数が結婚している家庭より33～95%も多い！など）が付いているわけですが、若干後付けの感もぬぐえません。

確かに言っていることは分かるのですが、「だから復縁しろ」なんてのは解決方法にはならないわけで。むしろ「子供たちが成長して出て行った世帯」なども範疇に入れて、必要以上の広さを持つ住居に住んでいる人々が、小さい住居に転居することを支援するといった政策につなげていくべきでしょう。その意味で、「離婚すると……」という話にしてしまうのは、人々に余計な誤解を与えそうな気がします。

ということで、むしろこの話は「データの見方/つなげ方によってまったく別の問題にすりかえることができるのだ」という警告として捉えるべきかもしれませんね。

「あっ、すりかえ仮面だ！」

「環境問題と離婚問題をすりかえてやったのだ～、ニャハ～！」

というギャグが思い浮かんでしまった僕は、『おかあさんといっしょ』の見過ぎ。

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Comments

[投稿情報: asari]

すりかえというのはもしかするとそうかもしれませんが、シングルや核家族といったライフスタイルが環境に対して高負荷であろうとは常々思っています。

たとえばワンルームマンション。ここの住人ひとりだけのために専用のキッチン、専用の風呂、専用のトイレがあるのだなあ、なんと無駄なことよ、というわけです。それらの設備があっても、特に単身者の場合稼働率は極めて低いですしね。よって私なりのこの問題への回答は、単身者等が刑務所ライクな集団生活型住居に転居することを支援するといった政策につなげていくべきでしょう、といいうことになります。

ああ、自分の思想が恐ろしい。

[投稿情報: とおりすがり]

まあ実際のところ、風呂,トイレ,台所共同の方が、全部個別にあるワンルームマンションより安いわけで。それこそ夫婦と子供３人が、各々ワンルームマンションに引っ越せば月々の家賃も遙かに高くつくし、電化製品だって全部買いそろえなければならないし、一人分だけ作る手間も食費もばかになりません。
環境破壊云々はともかく、高コストなのは体感的にも事実です。

昔はテレビや電話機が一人一台というと、「なんて贅沢な！」でしたよねえ。２階建ての1階と２階の両方にトイレがあるだけでも珍しい時代がありました。

[投稿情報: アキヒト]

> asari さん

コメントありがとうございます。「すりかえ」というのは言葉が過ぎてしまったかもしれませんが、「離婚対策というより、住宅対策の話じゃないの？」と感じてしまったもので……突き詰めて考えれば、人々の生活スタイルはどうあるべきかという話になってしまうのかもしれませんが。

> よって私なりのこの問題への回答は、単身者等が刑務所ライクな集団生活型住居に転居することを支援するといった政策につなげていくべきでしょう、といいうことになります。

実は同じことをふと想像してしまいました（笑）最近某知事が「徴兵制が必要、徴農制が必要」と発言していましたが、そのうち環境問題という観点から「若者は一定期間『環境キャンプ』で暮らすこと！」などと言い出す政治家が出てくるかもしれません。

[投稿情報: アキヒト]

> とおりすがりさん

コメントありがとうございます。仰る通り、環境問題はとにかく高コストであることは確かですよね。離婚云々とは別に、というかそれもひっくるめて、ムダの少ない居住スタイルというものを考えなければならないのかもしれません。

> 一人分だけ作る手間も食費もばかになりません。

かつて一人暮らししていた身からすると、この点には強い実感があります。最近はコンビニを始めとして、「一人で食べる」という点を意識した包装がされていますが、この点を解決する策があれば環境にとっても良い話なのでしょう。