週末なので、もう1つ ScienceDaily に載ってた心理学ネタから。
2種類のソファー、AとBがあったとします。ソファーAはクッションが柔らかく、ソファーBは長持ちするという特徴があります。いまAとBを消費者に比べてもらったところ、Aの方が不人気で、支持率は42.3%でした。どうやら「クッションの柔らかさ」というのは消費者が重視しない性能のようなのですが、さて、このソファーAを売るためにはどうしたらよいでしょうか?
という問題の解答が、以下の記事に掲載されています:
■ How To Manipulate Perceptual Focus In Advertisements (ScienceDaily)
ではさっそく解答はというと、「クッションが硬いソファーと一緒にしてしまう」という方法とのこと。同じソファーA・Bを、「クッションの柔らかさ」という点ではAに劣るソファー数種類に混ぜて消費者の反応を見たところ、ソファーAを好む人が77.4%に上昇したそうです。名づけて"perceptual focus effect"(知覚集中効果)。
つまり普通に見せられただけでは大してインパクトのない性能/特徴でも、同じ種類だが劣った性能/特徴を持つ商品と一緒にされると、急に「この商品って凄いんだな」と思ってしまうということですね。例えばエアコンを買いに行って、消費電量が少ないものを選ぼうと思っていたのに、「除湿性能ランキング」みたいなものが張り出されていると除湿性能1位の機種が気になってしまう、といったところでしょうか。「何で選ぶか」という選択条件をあらかじめ設定されたり、ランキング形式で提示されることに消費者は弱いのかもしれません。
さらにこの「知覚集中効果」、直感に頼って買い物をする人ほど陥ってしまう危険性が高いのだそうです。また詳細は不明ですが、何か分析を行うような作業を事前にしていた場合も、「知覚集中効果」に陥ってしまうのだとか(脳をロジカルに働かせていた惰性で、比較優位のデータに弱くなってしまうため?)。いずれにしても、自分で買い物をするときは「その性能が本当に自分の欲しかったものなのか」を考える必要があるということですね。またお店にいって、「なぜこの商品がこういう並べ方をされているのか」を見ても面白いかもしれません。
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