米フロリダ州で今月29日に選挙(大統領予備選を始め、オーランド市長選挙などなど)が予定されているのですが、その結果を様々な形で通知してくれるサイトが開設されています:
■ Election results any way you like them: Blogs, RSS, E-Mail, SMS, Twitter (OrlandoSentinel.com)
フロリダ州の地元新聞、オーランド・センチネルのサイト内の1コーナー。29日の選挙結果をお望みの手段でお届けしますよ、ということなのですが、一覧してみると:
- ウェブサイト
- 携帯電話のSMS
- Twitter (orlandosentinel)
- ブログ
- RSS (何種類かに分かれているのですが、すべてのRSSを統合した「政治中毒者向け」メガフィードなんてものもあります)
- Eメール
と、6つの経路が用意されています。これに新聞紙面も加えると、7つの経路で選挙結果を知れる、ということですか(オーランド・センチネルが用意しているもの以外でもいいとすれば、当然テレビやラジオも含まれてくるでしょう)。選挙結果という事実は1つしかないわけですから、たった1つのニュースを伝えるのにこれだけ多くの手段が用意されていることになります。
よく「情報洪水」なんて言葉がありますが、これからは情報「経路」洪水という側面も強くなってくるのでしょうね。ただしこれは利用者にとっては歓迎すべき事で、悩みは情報提供者の側にあります。これまでは1つの記事を用意すれば終わりだったのが、個々の経路に合わせて編集しなければならず、さらにそれぞれの経路を利用する人々の特性も考慮しなければならない……特に新しく出てきた Twitter などは、文字数に制限があるという点ではSMSと一緒でも、いまどんな人々が Twitter コミュニティを形成しているかを念頭に置いて文章を変える必要があるかもしれません。そうなると、メディアミックスではないですが「コンテンツをいつ・どこに・どのような形で流すのが最も効果的か」を考える必要も生まれるはずです。
そう考えると、経路が多くなることは利用者にとっては良いことばかりではないのかもしれません。仮にある経路が最も効果があると判断され、そこに最新ニュースが優先的に流されるようになったら、その経路を利用しない人々が不利益を被ることになります。また140文字にまとめられたニュースと、1,400文字で解説された記事では恐らく受ける印象も異なってくるはずです。意図的かどうかを問わず、同じニュースなのに経路によって違うニュアンスになるよう記事が編集されることになったら、「何でニュースを得ているか」によって異なる世論やコミュニティが形成されることになるかもしれません。
まあそんな話は「新聞・テレビ・ウェブサイト(ネット系)の違い」的な議論で以前から存在しているわけですが。前掲のページにずらりと並べられたメニューを見て、同じネット系でも、ここまで用意される・用意しなければならない時代になったのだなという感想でした。
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