ケータイ小説や Amazon の Kindle など、本の世界でもデジタル化や「携帯端末で楽しむこと」が進行しているわけですが、これはそれを一歩進めたアイデア:
■ Books in bite-sized portions (Springwise)
紹介されているのは DailyLit というサービス。去年……ではなく一昨年に 100SHIKI でも紹介されているので、ご存知の方も多いかもしれません。
一言で言えば「電子ブックを売るサービス」なのですが、忙しい人でも読みやすいように、「5分間あれば読める量」だけをメール/RSS経由で配信してくれるというもの。配信のタイミングは「毎日」「週末だけ」「月・水・金曜日だけ」の中から選ぶことができ、さらに配信時間も指定可能です。現在500以上のタイトルがあり、10万人以上のユーザーを獲得しているとのこと。
いくつか無料で提供されている本もあるので、試しにヘンリー・フォードの自伝""を購読してみることにしました。
■ "My Life and Work" by Henry Ford
アクセスすると、画面右側に以下のようなボックスが表示されていると思います:
一番上は配信タイミングで、その下は時間ですね。ご覧の通り、時間帯も指定することができるので、「朝9時を指定したはずなのにメチャクチャな時間に来た!」ということはありません。さらにメール経由かRSS経由かを選択し、メールの場合はアドレスを入力すればOK。自分以外の人にギフトとして贈るオプションもあります。
ちなみに以下のリンクは、"My Life And Work"を「毎日、日本時間の夜7時に配信」というオプションで作成したRSSフィードです。イメージとしては、仕事から帰る電車の中でケータイRSSリーダーを使って読む、といった感じ:
http://www.dailylit.com/feeds/subs/fa1788241acdb65ec443f0f23a934552
試してみたい、という方は購読してみて下さい。ただ、下の方に"Add next installment to feed right now"というリンクがあるかと思いますが、これは文字通り「次回分を今すぐ配信する」というメニュー。押してしまうと前回分は消え、今回分だけになってしまうので、上記のフィードに関してはお控え下さい。
「携帯できる端末で読める本を提供する」、つまり Kindle のようなアプローチも「本のフリーロケーション化」を進行させると思いますが、DailyLit のように「いま使っているコミュニケーションツール上でも読めるようにする」というのも有効なアイデアですよね。将来的には、例えば購入した本について「第○章だけを読みたい!」「XXXというキーワードが出てくるページ、前後合わせて3ページ分だけを読みたい!」などといったリクエストをメールで投げると、メールで指定した部分だけが配信されてくる……などといった展開も可能かもしれません(当然法的な問題は発生するでしょうが)。読みたいと思った箇所を、指定したメディア上で読むことができる、というのが本当の「本のフリーロケーション化」だと思います。
さらにメールやRSSだけでなく、現在なら「ミニブログ経由」というオプションも可能かもしれませんね。購読すると専用の Twitter アカウントを設置してくれて、指定したタイミングで(当然140文字以内で)記事を投稿してくれる……先を読みたい場合は@付きコメントを投げればOK、みたいな。逆に先読み禁止にして、何人かで同じペースで購読する->意見を Twitter 上でディスカッションする、のような「バーチャル読書会」なんてのも可能かもしれません。
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