シロクマ日報に載せようかどうか迷ったのですが、まだ公式プロジェクトではないようなのでこちらで。ERPの大手ベンダー、SAPが社内 Twitter 的なアプリケーションの開発に乗り出しているそうです:
■ SAP’s alternative Twitter project (ZDNet.com)
SAP関係者が明かした「小規模パイロットテスト中」の計画について。Twitter に限らず、企業内向けアプリケーションとして使うにはセキュリティとスケーラビリティの強化が必要、ということで検討が重ねられている模様です。具体的には以下のような機能が考えられているとのこと:
- グループやプライベートチャンネルを設置することができ、そこでの発言は外部に漏れない。
- 会話はスレッドとして表示される。
- 「グループ・タグクラウド」が表示される。
※WordPress の Prologue のように、個々の発言にタグが付けられるのかも? - 画像の埋め込みもOK。ただしビデオは重くなるのでダメ。
- 文字数制限は5,000文字。
なんだか「それ許したら Twitter ぢゃないじゃん」って感じの変更も含まれている気がしますが……。しかし ex-SAPer とすると、これくらいの仕様にしないと大企業では許可が下りないのだという判断だと思います。とにかく「Twitter もどき」でも入れてしまえば、企業内での活用事例ができるわけですからね。後は Twitter の有効性を知っている若者が中心に使っていけば、仕様は Twitter とかけ離れていても、本当の Twitter と同じ感覚が社内に再現できるのではないかと楽観視しています(もちろん「Twitter って何?」という人ばかりが導入の中心にいるような会社は論外として)。
また面白いのは、Twitterific が Twitter に使用を限定していないことを利用して、Twitter の API を真似ることでSAP版 Twitter クローンでも Twitterific を使用可能にしようと考えている点。確かに現在の Twitter 人気はサービス単独によるものではなく、それを取り巻くエコシステム、つまりサードパーティーによる様々な補助ツール/サービスも含めて生まれたものです。社内 Twitter が導入された、けど社内 Twit が無いから使いづらくて……という状況を生まないためにも、なるべく現在の技術やノウハウが再利用できる状況にしておく必要があるでしょう。
まだまだ製品として世に出るかどうかは不透明な状況のようですが、個人的には様々なスタイルが実験されるのは Twitter にとってもプラスだと思います。SAP版クローンで生まれた機能や使い方、補助ツールなどが、本家 Twitter に逆輸入されるという状況が期待できるでしょう。なんとか公式プロジェクトに格上げされて、日の目を見ると良いのですが。
イントラネット版 Twitter を開発してみましたー。
投稿情報: techmonkeyjp | 2008/06/10 22:56