「画像をアップロードすると、自動的にタグ付けしてくれる」という"TagCow"なるサービスが登場したそうです:
■ Is Tagcow the Future of Photo Recognition and Tagging? (Thomas Hawk's Digital Connection)
cow は英語で牛(乳牛)なので、"TagCow"だと「タグ牛」といったところでしょうか。実はこの名前には深い(?)意味が隠されているようなのですが、それは後述するとして、とにかくこのサービスは画像のタグ付けを行ってくれるというもの。上記の記事では魔女の写真に対して、ちゃんと"witch"というタグを付けてくれたそうです。また People Tagging というサービスも用意されていて、ある人物のサンプルとなる写真とその人物の名前を入力すると、その人物が登場する写真にはちゃんと名前のタグが付けられるとのこと。さらに Flickr のアカウントを入力すると、Flickr にアップロードされている画像にもタグ付けしてくれる……ということで、精度・内容ともに充実したサービスのようです。
問題はその仕組み。どんだけ優秀な画像認識技術が使われてるんだろうと思いきや、「実は人力でやってるんじゃない?」という疑惑が浮上しています:
■ 画像認識技術の課題が解決された―金を払って人間にタグづけさせればよい! (TechCrunch Japanese)
Michael Arrington が他の著名なサービス(Riya)などを引き合いに出し、画像認識技術をサービス化することが難しいことを示唆しています。さらに TagCow の公式サイトに「自動で」「機械的に」などという言葉が使われていないのに注目し、「答は、人間がやってるのだ」と結論づけています。文字通り、乳牛のような家畜が……と言うと問題がありますが、コンピュータではなく「中の人」が必死にタグ付けしている可能性もあるわけですね。
TechCrunch の元記事には「そのうちアクセスが集中して破綻するんじゃね?」といったコメントが寄せられているのですが、早速その恐れが出てきているようです。僕も試しに TagCow のアカウントを取って、試しに画像をアップしてみたのですが:
拡大して見ていただけると分かる通り、1時間近く経ってもステータスが「準備中」のままです。本当は「準備中」「タグ付け中」「完成」というステップを踏むようですが、「タグ付け中」にすらなりません。TechCrunch で紹介されて、中の人の処理能力を超えたのか?(TagCow 自身は「TechCrunch に載ったよ!」と大喜びしているのですが……。)
本当は Flickr のアカウントも登録して実験しようと思っていたのですが、人間が手作業でやっているのだとすれば何をされるか分かったものではないので(まぁ機械的に行うサービスでもリスクはあるわけですが)、アカウントを晒すのは控えました。うーん、本当のところはどんな仕組みで動かしてるんですかね。
ただ、最初に掲載した記事を書いた Thomas Hawk さん(TechCrunch によれば写真サイト"Zooomr"CEOとのこと)は「機械だろうが人力だろうが、クールなことには違いない」と評しています。僕もその意見に賛成で、Amazon の Mechanical Turk を引き合いに出すまでもないように、WEB上から人力を活用できるサービスというものは一般的になってきています。仮に「人力でタグ付けする」という仕組みで動くビジネスモデルを打ち立てられたのだとすれば、それはそれでスゴイことではないでしょうか。TagCow 自身は TechCrunch からの質問に回答していないようですが、人力であることを恥じずに(まだ人力が確定したわけではないですが)詳細を明かして欲しいと思います。って、依然として僕がアップした写真には何の反応も起きてないけど。
最近のコメント