新聞と広告は切っても切り離せないもの。特にウェブ版の新聞であれば、「無料+広告」というモデル以外には考えられないわけですが、なぜか New York Times のサイトに「広告をオフにする」機能が登場しています。しかもプレミアムサービスに申し込んだ人限り、などといった手法ではなく、一切無料で:
■ The Antidote To Big, Obnoxious Web Ads : The Off Switch (Basement.org)
現在この機能が導入されているのはトップページだけなのですが、やり方は簡単です。こちらがトップのスクリーンショット:
画面右上、アメックスのカード画像の上辺りに"Minimize Ads"というボタンがあるのが分かるでしょうか?これを押すと、こうなります:
アメックスの青いバナー広告が消え、すっきりとした画面になりました(URLに"?regtemplate"というパラメータが追加されています)。ユーザーとしてどちらが良いと言えば当然下の方で、"Minimize Ads"ボタンの導入を歓迎したいところですが、広告主からの抗議はないのでしょうか?
前述の通り、この機能があるのはトップページだけで、各カテゴリーのページ・個別ページ等には導入されていません。また常時オフにしておくことも不可能で、再びトップページに戻ると(つまり"?regtemplate"の付いていない通常の www.nytimes.com にアクセスすると)広告が現れます。さすがにこの辺まで踏み込んでしまうと、広告主が黙っていないでしょうが……。
この動きが主流になっていく可能性は低いと思いますが、New York Times が実施した機能ということで注目を集めるかもしれません。日本の新聞業界にも何らかの波紋が……あれば良いのですが、特に何も反応ナシというのが関の山かな。
トップページから記事を読む人が案外少ないから広告は表示しなくてもいいという判断かもしれません。グーグルなどの検索エンジンで各記事に直接アクセスする経路が十分に多ければありえます。
トップページを訪問する人は大量の記事を読みたい人だと仮定すれば、広告よりも記事をたくさん露出することで、個別のページにどんどん行ってもらえます。読むページが多くなれば、それだけ広告が表示される機会が増えるので、広告主も満足するのではないかなと思います。
あくまでも仮説ですが。
投稿情報: yasuo | 2008/04/25 09:41
yasuo さん、コメントありがとうございます。
> トップページから記事を読む人が案外少ないから広告は表示しなくてもいいという判断かもしれません。
ああ、確かに個人的にも New York Times をトップから見ていくということは少ないです。検索、もしくは Techmeme など別のサイトから紹介でアクセスすることがほとんどですね。従ってトップの広告が(結果的に)減ってもあまり打撃ではない、という判断かもというのは納得できます。
> トップページを訪問する人は大量の記事を読みたい人だと仮定すれば、広告よりも記事をたくさん露出することで、個別のページにどんどん行ってもらえます。
この部分も納得です。結果的に、サイト全体のPVが上がるのではないかと。どこかで「どんな情報でもコピーできてしまう時代にオリジナルのサイトにアクセスしてもらいたければ、オリジナルにアクセスしたくなるように読者重視のデザインにすべきだ」という意見を読んだ記憶があるのですが、今回の New York Times の試みもまさにそんなところかもしれませんね。
投稿情報: アキヒト | 2008/05/01 06:36