これから海外旅行に行く予定がある、もしくは最近夜勤などで生活リズムが崩れてしまって、という方は以下の記事を要チェックかも。体内時計のリズムを整えるのに、食事が有効ではないかという研究結果です:
■ Food-related Clock In The Brain Identified (ScienceDaily)
Beth Israel Deaconess Medical Center という医療機関の研究結果について。「体内時計は周囲の明るさで調整される」というのがこれまでの認識でしたが、「食べること」によってもリズムを整えることが可能で、しかもそれは光りによる調整を上回る(上書きする)効果が得られるのではないかという説です。
話をまとめるとこんな感じ:
- 小動物の場合、生きていくためには定期的に食事をしなければならない。
- 食糧が豊富にある環境では、明るさによって体内時計を調節するメカニズムが働いている。
- しかし起きている時間帯(正確に言えば、明るさによって「起きているべきだ」と判断された時間帯)に食糧が手に入らないと、飢えで死んでしまう。
- それを避けるため、限られた時間にしか食糧が採れない場合には、「食べ物が手に入る時間」を起きている時間帯にするように体内時計が調節される。
- このメカニズムが、人間の場合にも働く可能性がある。
……という話。確かに夜行性の動物もいるわけで、「明るいから起きてなくちゃいけない」というのは生物学的な必須条件ではないわけですよね。研究の妥当性については元論文を読まないと何とも言えませんが、「食べることによるリズム調整」の方が「光りによるリズム調整」よりも上位に置かれる、という説には一理あるように感じます。
で、この説が正しいとして、この発見をどう応用すれば良いか。例えば時差ボケを乗り越える場合には、およそ16時間、何も食べない時間を取るようにすれば良いとのこと。日本からヨーロッパなどに行く場合には12時間程度かかりますから、飛行機に乗る直前ぐらいから「断食」を始め、現地に着いたらすぐに食事を取る、という風にすれば良いそうです。ファーストやビジネスクラスで海外旅行ができる羨ましい方には、機内でおいしい食事を食べるチャンスを逃してしまうことになりますが……近々旅行に行かれる機会があれば、試してみてはいかがでしょうか(時差ボケ抑制効果がなくても、ダイエット効果はありそうですしね)。
最近のコメント