「6次の隔たり」といえば WEB2.0 時代に一躍有名になった概念ですが、本当にそんな状況が実現されているのかどうかはいまいち微妙なところ。そんな中、MSNメッセンジャー改め Windows Live メッセンジャー上で、この6次の隔たりが存在されていることが確認されたそうです:
■ Instant-Messagers Really Are About Six Degrees from Kevin Bacon (washingtonpost.com)
マイクロソフトの研究員が行った調査結果について(なぜ記事タイトルにケビン・ベーコンが出てくるの?という点については、Wikipedia の記事をご覧下さい)。ちなみに6次の隔たりとは、「世界中にいるどんな人々とも、6人の人々を介して間接的な知り合いである」という概念のこと。例えば自分と自分の直接の友人がいたとすると、彼/彼女と自分との隔たりは「1次」である、という数え方をします。この数え方で考えた場合、自分と最も遠い存在であっても、隔たりは最大で6次までしか行かない――というのが「6次の隔たり」です。
で、今回の研究ですが
With records of 30 billion electronic conversations among 180 million people from around the world, researchers have concluded that any two people on average are distanced by just 6.6 degrees of separation, meaning that they could be linked by a string of seven or fewer acquaintances.
The database covered all of the Microsoft Messenger instant-messaging network in June 2006, or roughly half the world's instant-messaging traffic at that time, researchers said.
世界中にいる1億8千万人の人々の間で行われた、電子上での会話記録300億回分を確認した結果、研究者たちは「どんな人々であっても、その間の隔たりは平均で6.6次である」という結論に至った。これはつまり、人々は7人以下の知り合いを通じて繋がっているということを意味する。
この研究は、2006年6月に Microsoft Messenger 上で行われた会話記録のデータベースを利用して行われた。研究者たちによれば、このデータは世界中でのインスタントメッセージによるトラフィック量のおよそ半分にあたる、とのことである。
という内容。ただし6.6次はあくまでも平均値であり、この隔たりの間で収まっていたのは全体の78%だったとのこと。最大では29次の隔たりで繋がっていた場合もあったのだとか。また「ある2人が知り合いだとどうやって分かったの?」という点ですが、2人がお互いにメッセージを送り合っていれば知り合い、と判定したのことです。
「メッセージを送り合っていれば知り合い」というのはずいぶん緩い基準のようにも思えますが、それだけに6次の隔たりが実現されやすかったのかもしれませんね。Twitter でお互いに follow しあっていれば知り合い、という基準で分析してみたら、同様に6次の隔たりが確認できるかもしれません。
ということで、IM や Twitter などカジュアルな関係で繋がっているネットワークであれば、有名人にたどり着くのは意外と簡単――というアドバイスとして使える結果なのかなと感じました。憧れの人にターゲットを定めて(もちろんその人がどのネットワーク上で活発に活動しているかを確認しなければなりませんが)、知り合いになれるかどうか実験してみても面白いかもしれません。
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