既にブクマが多数集まっていますが、Yahoo! のトップにも載った次の記事がちょっと引っかかりました:
■ 球児への提言――基本を怠らず全力プレーを タジケンの高校野球観戦記 Vol.18 (スポーツナビ)
昨日閉会したばかりの高校野球について。ブクマコメントでは根性論・精神論的な姿勢が槍玉に挙げられていますが、個人的に一番「?」だったのは冒頭の部分:
いつから高校野球はこんなふうになってしまったんだろう。最も驚いたのは、取材時間中に携帯電話をさわる選手が複数いたことだ。試合終了後、報道陣には合計23分間の取材が許されている。勝ったチーム、負けたチームともに監督と指名選手がお立ち台へ。そのほかの選手には取材ルームで話を聞くことになるが、当然ながら試合で活躍した選手に記者は集まる。取材されず、手持ちぶさたになったのか、一刻も早くメールチェックをしたかったのか。イマドキの高校生といえばそれまでかもしれないが……。ちなみに、取材ルームは報道陣でさえ、携帯で話していると係員から怒鳴られる。
もしかしたら、高校野球の取材エリアでは「携帯電話はオフにしておくように」のような取り決めがあるのかもしれません。もしくは「話していると怒鳴られる」という一文がありますから、JRのように「マナーモードにして、通話はお控え下さい」のようなメッセージが掲げられているのかも。だとしたら上記のような批判もごもっともですが(ただ通話のみNGなのであれば、メールチェックを非難するのは筋違いだけど)、どうもそんなルールがあった上での話ではないような気がします。
しかもこの話、別に「記者と応答している選手がケータイを触っていた」という内容ではありません。仮に相手と話しているのに「ちょっと待って」と言ってケータイを触り出すのなら論外ですが、自分には誰も話しかけてこない、ならちょっとメールをチェックするか、という行動のどこが問題なのでしょうか。どうもこの文からは、「俺たち記者が取材してやってるのに、他のことに気を取られるとは何事か」というような態度が感じられるのです。
以前某紙の記者から取材を受けた際、不快な思いをしたことがあります。詳しく書くのは控えますが、その時感じたのがまさに「取材してやる」という態度。取材相手に時間を取ってもらっているのだ、という気持ちが感じられませんでした。と書くと高飛車な奴と思われてしまうかもしれませんが、別に高級料亭で接待しろと言いたいのではなく、取材相手と同じ目線で接することはできないのかなぁと感じたわけです。
もちろんこうした態度が、日本の記者全員に共通しているというわけではないでしょう。逆に僕自身、非常に丁寧に取材していただいたことがあります。時期が時期なだけに、ちょっとした不遜な態度が気になっただけかもしれませんが……ただこれまた時期が時期なだけに、取材する側の人々は、取材される側の人々に心を巡らすことが必要ではないかと思います。
そういえば「取材と携帯電話」という話では、ちょっと前にフェルプス(例の金メダル8冠を達成した水泳選手)の記事を読みました。残念ながらネットには出ていないようなのですが、取材陣に「友人の反応はどうですか?」と聞かれたフェルプスは、携帯電話をチェックして「お前の気持ち悪い顔を何回見なければいけないんだ、なんてメールが来てるよ」と答えたそうです。日本で北島選手が同じことをしたら、「さすが現代っ子だな」的な揶揄が書かれていたかもね。
コメント