最近このネタが多いような気もしますが、拡張現実(AR)の話。ARというと「ディスプレイ付きの小型端末で、街を歩いている時に情報を得る」というようなスタイルを想像します。しかしこんな大がかりな仕掛けを考えている研究者もいる、という話:
■ Real Pilots And 'Virtual Flyers' Go Head-to-head (ScienceDaily)
タイトルから分かるかもしれませんが、本当の飛行機と、コンピュータ上しか存在しない「バーチャル飛行機」が空の上でレースを行った、というニュース。以下はテストフライトの様子だそうですが、雰囲気がつかめると思いますのでご覧下さい:
ちなみに高画質版は、このプロジェクトの公式ページ"Sky Challenge"で確認することができます。
本物の飛行機を操縦するのは、アクロバット飛行も行っているプロのパイロット。彼らが乗る飛行機のコクピットにはモニタが設置されており、ここに(実際には存在しない)空中のターゲットが現実の風景に重ね合わせて表示され、この間をくぐり抜けてゴールに達することが目標になります(ターゲットの隙間は非常にせまく、「機体が触れた」と判定された場合、ペナルティとしてコースが少し長くなるとのこと)。で、本物の飛行機によるチャレンジが終了した後で、フライトシュミレータのようなゲームによる同様のチャレンジが行われ、この2つの結果が比べられたと。テストフライトではこのように、リアル/バーチャルの飛行が別々に行われたようですが、ScienceDaily の記事等を読むと「レースを同時に行って、お互いのモニタに競争相手の姿を写す」なんてことも可能なようです。
このプロジェクトを行っているのは Air Sports というニュージーランドの会社だそうですが、技術は University of Nottingham など、複数の大学で開発されたものを使用しているとのこと。彼らはこの技術を他のレース(F1やインディなんかに応用したら面白いかも)にも展開したり、インターネット経由で一般人がレースに参加したり、なんて可能性も考えているそうです。いくらかお金を払うとレースにエントリできて、ネット上で憧れのドライバーと一緒に本物のコースを走れる、なんてことになったら楽しそう。もちろん天気や路面状況の反映など、バーチャル側での進化がもっと進む必要があると思いますが、拡張現実の応用や技術革新はこんなところからも進められるかもしれませんね。
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