お馴染み New York Times ウェブサイトですが、"Extra"ホームページなるものが登場していることを、ReadWriteWeb が報じています:
■ Times Extra: The New York Times Opens Web Front Page to Outside Content (ReadWriteWeb)
この"Times Extra"、フロントページでありながら、New York Times 以外の記事へのリンクが集められたページになっているとのこと。早速確認してみましょう。
通常通り New York Times ウェブサイトにアクセスすると、右上(下のスクリーンショットで言うと、シェル石油のバナー広告の上)に小さく"Try Our Extra Home Page"というアイコンが表示されているのが分かると思います:
ここをクリックすると表示されるのが、こちらの Extra Home Page:
圧縮してしまったので分かりづらいかもしれませんが、画面の左側、"Back on Capitol Hill, Auto Executives Still Find Skeptics"という記事の下部と、"Canadian Parliament Closed in Bid to Keep Prime Minister in Power"という記事の下部に、緑色の文字とスクロールバーが見えると思います。この部分が、外部(New York Times 以外のメディアやブログ)の記事へのリンクとなります。当然ですが、直上の記事に関する記事へのリンクとなっていて、関心があるトピックに関して New York Times 以外の情報源にあたることができる、と。
ちなみにこんな注釈も掲載されています:
ABOUT TIMES EXTRA
Times Extra provides additional headlines by using Blogrunner, a service that automatically finds related information and commentary from selected sites across the Web. The headlines displayed are from the original source.
<Times Extra について >
Times Extra は Blogrunner を活用し、ヘッドラインに追加情報を掲載しています。Blogrunner はウェブ上にある厳選されたサイトから、関連する情報やコメントを自動的に発見するサービスです。表示されるヘッドラインは、元記事から取得しています。
- 問題のあるヘッドラインや記事を報告する
- このサービスについてコメントする
とのことで、要は Blogrunner をフロントページに統合する試みだと。Blogrunner と New York Times の関係については、以下の TechCrunch 記事が詳しいです:
■ New York Timesの「Blogrunner」はTechmemeのライバルになるか? (TechCrunch Japanese)
昨夜(米国時間10/1)、New York Timesがメイン・サイトのテクノロジー欄で、Blogrunnerをひっそり利用し始めた。Blogrunnerは数あるtechmemeのクローン・サイトのひとつで、昨年NYTに買収された。Techmeme同様、Blogrunnerもさまざまな分野(政治、テクノロジー、メディア、ビジネス、経済、法律、映画、本、宗教、イラク、エンタテインメント)のニュースとブログ記事をモニターしている。今回、BlogrunnerのリンクがNew York Timesのメインサイトに表示され始めた。まずはテクノロジー欄の中央の段で「ウェブのテクノロジー記事」という見出しがついた部分だ。同じように、健康欄の右下隅に「ウェブの健康記事」という部分ができた。さらにBlogrunnerからのリンクが個別記事の末尾にも現れるようになった。読者はNYT の関連記事とウェブ上の関連記事(われわれの使っているSphereと似たような感じだ)を選択することができる。
この New York Times の動きを見て思い出したのが、BusinessWeek の Business Exchange (以前 Polar Bear Blog でコメントした時の記事はこちら)。これはユーザーが様々な記事(BusinessWeek 外部の記事も可)を集めてリンク集が作れるといった感じのサービスで、人力か機械かという差はありますが、「自社記事か外部記事かを問わず、ウェブ上にある情報を集約している」という点では同じです。言ってみれば、New York Times と BusinessWeek はどちらも「ポータル化」を進行させているといったところでしょうか。
何でも検索できて、クリック1つで様々なサイトを巡ることができるネット時代。来訪率と滞在率を上げるため、メディアのサイトが選択できる方向性の1つが「ポータル化」だと思いますが、New York Times のように大手でブランド力がある企業すらなりふり構わないようになってきているのかもしれません。日本の新聞社も「あらたにす」というサイトをオープンさせたことが記憶に新しいですが、連携すべきは同業他社ではなくて、個人ブログも含めた様々なウェブサイトであることを認識する日がそう遠くない……かも?
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