Amazon.com が iPhone/iPod Touch で Amazon 内の商品が買えるというアプリ"Amazon Mobile"を発表したそうなのですが、1つユニークな機能が備わっています。なんと、欲しいモノの写真を撮って送信すると、その購入ページを表示してくれるとのこと:
■ iPhoneのカメラで撮った製品をAmazonで――AmazonのiPhoneアプリ登場 (ITmedia News)
■ Amazon.com Invades the Apple App Store (New York Times)
「ああ、画像認識技術を使って実現してるのね。似たような発想あったじゃない」と感じた方、間違いです(僕も最初読んだときは、同じように考えましたが)。実は……
There is, however, one unusual and noteworthy aspect of the app called Amazon Remembers, which Amazon is calling “experimental.” The tool lets users take a photograph of any product they see in the real world. The photos are then uploaded to Amazon and turned over to the far-flung freelance workers in Amazon’s Mechanical Turk program, who will try to match them with products for sale on Amazon.com. The results will not be instantaneous (between 5 minutes and 24 hours, the company says), but the idea is to entice consumers to buy products from Amazon instead of its offline rivals.
しかしこのアプリには、"Amazon Remembers"と呼ばれる特筆すべき機能が備わっている(アマゾンによれば、この機能は「実験的」なものだそうだ)。ユーザーが現実世界で遭遇したモノの写真を撮ってアップロードすると、アマゾンのフリーランス労働者部隊"Mechanical Turk"に送られ、彼らが写真にマッチするモノをアマゾンのサイト内から探し出すのだ。結果は即座には表示されないが(アマゾンによれば、5分から24時間以内とのこと)、競合他社ではなくアマゾンで何かを買いたいという消費者にとっては魅力的だろう。
ということで、ご存知"Mechanical Turk"が活用される、すなわち人力で検索が行われるわけですね。なんだ、スゴイ画像認識技術が実用化されたんじゃないのかとガッカリしてしまうかもしれませんが、これはこれで面白い話だと思います。
そういえば最近、Nokia が何かと世間を騒がせていますが、その原因の1つ"VERTU"には人力コンシェルジュサービスが付加されています(ボタン1つで専属オペレータを呼び出すことができ、電話を通じて様々な作業を依頼することができる)。日本企業が機械による「パーソナライゼーション」「カスタマイゼーション」に力を入れる中で、「人間にやらせちゃえば速くね?」と割り切ってしまった Nokia、という風に個人的には見ているのですが、今回の Amazon Remembers も同じ方向性であると捉えられるかもしれません。さらにこちらも先日の話ですが、以前紹介したサービス"SpeakLike"(入力した文章を、人間のオペレータがリアルタイムで翻訳してくれるチャットサービス)が一般公開され、翻訳者として参加する人々を募集しています。こちらも Amazon Remembers と同系列の話でしょう。
「機械に接続する人間たち」的な話は前から囁かれていることですが、次第にこんな「機械+人力」というサービスも実用化&定着するのかな、と感じてみたり。Amazon Remembers がどこまで成功するか、注目ですね。
コメント