あー、これは似たようなこと考えていた方、あるいは一部実現していた組織、多いんじゃないでしょうか。新聞からネットへという情報の流れを、ネットから新聞へと逆流させてみようという発想――「ブログ新聞」について:
■ New Media Venture Turns Bloggers Into Print Journalists (Wired.com)
紹介されているのは The Printed Blog というサイト。簡単に言ってしまえば、ネット上に溢れているブログ記事をかき集め、「紙の新聞」にして配布しようというアイデアです。ちなみに収益は広告収入(通常の企業広告だけでなく、クラシファイド広告も含む)に頼り、新聞自体は無料で配布するとのこと。第1号は1月27日、シカゴとサンフランシスコで発行予定で、11インチ×17インチ(約28cm×約43cm)のサイズの紙6ページ分にフルカラーで印刷されたものになるそうです。
紙の新聞なので、当然印刷コストや配布コストがかかるわけですが、「印刷を配布場所(当初はシカゴで2箇所、サンフランシスコで1箇所のみ)に近い所で行う」「スタッフにボランティア(無給のインターン)を雇う」 などといった工夫をしているそう。また最終的にはブログ記事収集から発行までを自動化して、さらにコストを削減する計画なのだとか。そのために、「次号に掲載する記事はどれが良いか、読者に投票してもらう」といった仕組みを構築することも考えているとのこと。
そうなると気になるのは、ブロガーに謝礼は支払うのか?という点ですが……すみません、ざっと見た限りですが関連する情報を見つけられませんでした。しかし Wired の記事によれば、The Printed Blog の(印刷して発行したいという)申し出を断ったブロガーは数人だけで、概ね好反応を得ているのだとか。うーん、この好反応はお金がなせるワザか、それとも「紙の新聞に載れば知名度が上がるかも」という計算によるものなのか。
個人的には「ブログ新聞」があれば読んでみたい気もします。ただし、例えば先週話題になったブログ記事&それに対する反応記事&それに対するブクマコメント等がまとめて紙面で読める、といった価値が提供されているのであれば。なぜリアルタイム性やインタラクティブ性を放棄して、「紙」というメディアに置き換える必要があるのか――その答えは上記のような「集約性」というものだけでなく、様々な価値が考えられると思いますが、1つの実験として"The Printed Blog"は面白いのではないでしょうか。
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