今から10年前。1999年にドコモが「MAGIC」というビジョンを発表していたのをご存知でしょうか。2010年に携帯電話がどのように進化し、ならびにそれを使ってどのような生活が実現できているかを映像化したもの。先日某所でチラッと見る機会があったのですが、既に実現できている部分もあったものの、逆にあと1年で実現するとは到底考えられないシーンもあり、10年後を予測することの難しさを感じました。
当時から YouTube があれば良かったのですが、流石に10年前の話ということで、ネットを漁ってもどこにも落ちていないようです。確認できたのは ITmedia の記事と、書籍『「2010年」―NTTドコモの未来ビジョン「MAGIC」』だけ。興味のある方は、この辺を参照してみて下さい。
で、本題はドコモではなくて Microsoft。現在は2009年ですから、その10年後――2019年にどんな世界が実現されているか、Microsoft Labs が映像化したものが発表されています:
■ Microsoft Office Labs vision 2019 (montage + video) (istartedsomething)
タイトルは、そのものズバリ「2019」。記事本編には5分間のロングバージョンもエンベッドされていますので、こちらも興味のある方はご参照下さい。ちなみに公式ページでの解説はこちら:
■ Future Vision Montage (Microsoft Office Labs)
さてさて、どのような感想を持たれたでしょうか。この手のビデオは大手IT関連企業ならどこでも作っているものですし、未来を正確に予測するというよりキャッチーな映像を見せることに主眼が置かれるものですが、Microsoft が会社として作成したものということで一見の価値はあると思います。
ただ、何だか新しい技術というより、新しいインターフェースの方が目立ってしまっているような印象を個人的には受けました。お馴染み「マイノリティ・リポート型」というか、タッチパネルが至るところに使用された世界は確かに新しいものの、「それを使ってできること」は現在とさほど異なっていません。意地悪に言えば、ちょっとインターフェースがカッコ良くなって、操作感やスピードが向上しただけ?という感じでしょうか。流行のAR(拡張現実)を取り入れて、情報の発見や操作を改善しているシーンが若干見られるけど。
一点だけ便利そうと思ったのは、会社の同僚たち(白人の女性と中国系の男性)が実際に対面した時に、それまでネットを通じて行っていたコミュニケーションのやり取りを机の上に映し出すというシーン。お互いラップトップを持ち寄って、「えーっとあのファイルは……あのメールは……」とやらなくても、お互いが関係するデータをすぐに呼び出せるわけですね。単純に時系列でデータを並べる程度のインターフェースで良いですし、別にタッチパネルを使う必要もないですから、さらっと実現して欲しいなぁと思いました。
さらにこれは本題からはずれるのですが、欧米のオフィスや学校がコミュニケーションする相手が、中国系やインド系の人々というのがふと気になりました……まぁこれは考えすぎ、ですよね。
>欧米のオフィスや学校がコミュニケーションする相手が、中国系やインド系の人々
マイクロソフトなだけに、ワールドワイドな市場を意識してるんでしょうね
白人ばかりの未来社会のビジョンを見せられても、有色人種の
国の人はピンと来ないでしょうから・・・・・・
それと映画やテレビでも顕著ですが、アメリカ国内市場向けにおいても
多人種国家である事を反映してか、必ずある程度の割合で
白人以外の人種を登場人物の中に加えているのは
随分昔からのことですので
その感覚もあるのだと思います
投稿情報: ぶり | 2009/03/03 14:19
ぶりさん、コメントありがとうございます。
確かにマイクロソフトだけに、世界市場を意識しているんだと思います。そこで登場するのが「中国」と「インド」というのが、ああ、やっぱり世界の期待はその辺にあるのかなーなんて。日本人として一抹の不安を感じてしまった次第です。
投稿情報: アキヒト | 2009/03/07 09:25