書かれているテキストの中身に応じて、関連する広告を自動表示するのが Google の AdSense。なら同じことを画像で実現したら……という発想を実現するサービスが登場したとのこと:
■ Pixazza "Product in the Picture" Service: AdSense for Images (BusinessWeek)
紹介されているのは、タイトルにもある"Pixazza"というサービスなのですが、実物を見てもらった方が早いかもしれません。例えば以下は、imnotobsessed.com というサイトで実現されている例:
セレブを撮影した画像が一枚。その中に写っている服や靴、アクセサリー等がデータベース内に登録されているモノ(宣伝される商品)に一致すると、その上に値札のようなタグ画像が表示されます(黄色くて青い"P"が中に表示されている画像)。で、「これと同じの欲しい!」と思ったモノのタグにカーソルを合わせると、上のスクリーンショットのように広告がバルーン表示されるという仕掛け。「画像内に写っているモノを認識して広告、もしくは商品購入サイトにつなげる」という発想自体は、既に他のサイトでも実現されていますが、メディア企業が自社サイト上で広告を展開できるのが売りというわけですね。ちなみにこの Pixazza には、Google も出資しているそうです。
ただしこの「画像内にあるモノと宣伝するモノを一致させる」という部分ですが、Like.com のようにアルゴリズムで自動化されているのではなく、人間が目で見て確認しているとのこと(現在は従業員と関係者が対応。しかし将来的には Amazon の Mechanical Turk のように、クラウドソーシング型で対応を行うことを計画中)。そのためか現在対象となっているのはアパレル製品だけで、他の分野は今後対応予定だそうです。ちなみに現在は、宣伝された商品が購入された時点で報酬が発生するそうですが、今後はクリックやインプレッションベースでの報酬体系も展開するとのこと。
うーん、完全アルゴリズム対応ならば、それこそ AdSense のように個人が気軽に利用できるサービスになるのでしょうが(例えば Flickr と連動して、写真をアップロードするだけで広告収入が期待できるようになるとか)。人力対応だと、参加サイトをいくらでも増やすというわけにもいかないでしょうし、当面はメディアサイト上での運用になりそう。また BusinessWeek の記事でも指摘されていますが、変なタグが表示されているのをウザイと感じる人も多いかもしれませんね。AdSense と異なり、見ているコンテンツのど真ん中に表示されるわけですから、広告効果は高いもののその分反感を買う可能性も高そうです。
ともあれ、テキスト以外のコンテンツでも広告収入が得られるようになるわけですから、実験的に参加したいというサイトは少なくないでしょう。日本でも類似サービスを展開しよう、と試みる会社が出てくるかもしれません。
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