■ コンサルタント総崩れ状態 (ITコンシェルジュの Try ! & Error ?)
を読んで。最近オルタナティブ・ブログでは川上さんだけでなく、何名かの方がコンサルティング悲観論に触れられている気がするので、出来損ないコンサルタントとして少々コメント。
ちょうど週刊ダイヤモンド最新号(上の画像)の書評コーナーに、「好調な売れ行きにブームの予感 コンサルタントの知的生産技術」という記事がありました。それによると、「コンサルティング」や「コンサルタント」というキーワードのついた書籍が売れる気配があるそうで、例として『コンサルタントの習慣術』『実況LIVEコンサルティング実践講座』『コンサルティング能力』などといった本が挙げられています。
記事を書かれたのは丸善の関係者の方なので、上記の本を売りたいという思惑があるのかもしれませんが……その辺は割り引くとして、こんな分析をされています:
「コンサルタント」という言葉にお客様がどうして反応しているのか。拙い分析をお許しいただければ、従来の「ロジカルシンキング」や「問題解決法」といった各論的な個別ノウハウだけではなく、問題発掘から解決までに至るトータルな筋道をつくるノウハウを求める人が増え、それに具体的に答えてくれるのがコンサルタントだからではないか。購入者がコンサルタント職に就きたいわけではないのです。
コンサルタントという人々が問題解決法を備えているかどうかは分かりませんが、購入者がコンサルタントになりたいわけではないだろう、という点には賛成です。不況でコンサルに高いお金を払うのがバカらしくなり(あるいは予算的に不可能となり)、自前でやってしまおうという人々が増え、コンサル業界に転職するつもりはないけど「コンサルタントのノウハウを身につけたい」という傾向が生まれているのかもしれません。
もうひとつ穿った見方をすると、コンサルティング業界に回ってくる仕事が減ったために、空いた時間で執筆するコンサルタントが増えているのかな……などと感じていたりして。あるいは少しでも仕事を増やすために、本という形で手の内を明かすことで、知名度アップを狙うというケースもあるかもしれません。いずれにせよ、コンサル本ブームは需要と供給の両面に不況が影を落とした結果のような気がしています。
ただ前述の記事が正しくて、「コンサルティング」本が売れるのだとしたら、コンサルティング的なものに対する需要が失われたわけではないでしょう。景気が上向けば、再びコンサル業界にも光りが戻ってくるはず……なんですが、フラット化によってインドや中国の頭脳に市場を奪われる、なんて脅威が控えている気がしてならない今日この頃です。みんな英語を勉強しないでね。
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