久しぶりにブロガーミーティングに参加してきました。4月10日にオープンしたばかりの「エスパス タグ・ホイヤー銀座」を貸し切って行われた、「TAG Heuer と新しいコミュニケーションの形」というイベントです:
■ 4月16日(木)「タグ・ホイヤー@銀座」~TAG Heuerと新しいコミュニケーションの形~ ブロガーミーティングにご参加いただき、ありがとうございました (Agile Media Network)
個人的に、タグ・ホイヤーと言えばブラピではなくモータースポーツ(2009年からアンバサダー=イメージキャラクターとしてレオナルド・ディカプリオなどが登場しているそうですが)。女性用モデルにも力を入れていますよ、というご説明もあったのですが、「カレラ」「モナコ」なんて名前を使っている限りはカーレースとのつながりを無視するわけにはいきません。てなわけで、しっかり店内のスティーブ・マックイーンと記念撮影を行ってきました。これだけで来店の目的、完了です。
……とこれで終わると流石に怒られるので、感想などを少し。今回のイベント・サブタイトルにある「新しいコミュニケーションの形」という点に、僕は少し違和感を覚えていました。アジャイルメディアのイベントなので、「新しいコミュニケーション」とは当然ネットに関係するものを示唆しているのでしょう。しかし、高級ブランドがネットを通じたコミュニケーションを行うという姿はなかなか想像できません。例えばシャネル銀座店が店員ブログを開設して「このバッグお勧めですよ!」などと書き込むなんてことはちょっと無さそうですし、ロッテの Fit's ダンスコンテストのノリで Moet が「シャンパン飲んで踊ってる姿を YouTube にアップしてね!」なんて企画を始めることも無いでしょう。
しかし驚いたことに、タグ・ホイヤーのホームページにはブログパーツが用意されていたり:
ハミルトンとマックイーンがレースで対決する(!)というショートムービーを作って YouTube にアップしたりなど:
(ちなみに公式ページからこのバトルの結末を予想・投票できるようになっていたりします。)
意外にネット活用に積極的な様子(英語サイトにはもう少し様々なコンテンツが用意されています)。しかも僕はまったく知らなかったのですが、海外では携帯電話の製造まで手がけているとのこと。さらには銀座店では30GBのメモリまで売られていて、先進テクノロジーの追求は時計だけに留まっていないのでした(ちなみにタグ・ホイヤーの"TAG"とはフランス語"Techniques d'Avant-Garde"の頭文字を取ったもので、これは「先進技術」といった意味の言葉)。
(ちなみにこちらはサングラス。つるの部分には特殊なチタンが使われているそうで、曲げても全然大丈夫なぐらい弾力性があるのに、まるでかけてないように感じるほど軽い製品でした。)
腕時計が提供してくれるのが「時間が分かる」という機能だけであれば、1人が1台ケータイを持つ現代では、腕時計の存在意義は失われてしまっているでしょう。そんな時代でもわざわざ高いお金を出して腕時計を買おうとする理由の1つは、それがファッションやステータスとして、自分が追求するものを表してくれるからです。タグ・ホイヤーの場合、モータースポーツとの関係を持つことで「ストイックに限界を追求する」といったイメージが生まれ、それに共感する人がユーザーとなるわけですね。そこまでは理解していたのですが、今回のイベントで時計以外の分野でも「先進技術」というものに取り組もうとしている姿勢が見られたことに、ちょっと興味を惹かれました。ネット活用もブログパーツ的なレベルで良しとしてしまうのではなくて、いっそのこと Google Earth ぐらい画期的なアプリケーションを作り上げて"TAG Heuer"のブランドを被せてリリースしてしまう、ぐらいのことをしてくれそうな期待をしているのですが。
ともあれ、僕も「ケータイを持ち歩くようになってから腕時計をしなくなった」人間の一人なのですが、イベントが終わる頃にはすっかり「1つ欲しいな……」となっていたのでした(できればコレが欲しい)。いや、やっぱ実物が目の前にあるっていうのは耐え難い誘惑です。ネット時代には消費者自らがいろいろと情報を集めているわけですし、最後にこうやって実物を手に出来る機会をいかに提供するのがキーになるのかな、などと自己弁護してみたり。
(懇親会はいつもの「ソフトドリンクで乾杯」ではなく、「Moet のシャンパンで乾杯」でした。)
【余談】
このタグ・ホイヤー銀座店ですが、先日ご紹介した「40声のモテット」が展示されているメゾンエルメスのすぐ近くになります。タグ・ホイヤーに目を焼かれた後は、エルメスでクラクラするというのはいかがでしょうか:
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