ロボットたちは実社会の前に、ネット上で市民権を得ることになるのでしょうか。 ロボットに Facebook のプロフィールを登録させ、人間との交流を図るという計画が進んでいることをBBCが報じています:
■ Robot to create Facebook profile (BBC News)
「人間ではない」アカウント(プログラムが登録したスパムとか、企業がプロモーション用に設置した商品擬人化アカウントとか、人工無能とか)なんて既に無数にあるでしょ、というツッコミが聞こえてきそうですが。こちらは正真正銘、研究のために開発された人型ロボットが、Facebook 上にプロフィールを開設するというニュースです。
ロボットの名前は"Ibn Sina"といい、BBCの記事に写真が掲載されている通り、アラブ風の姿をした男性ロボット。「彼」が Facebook にアカウントを開き、そこに人間と交流した記録(写真など)をアップしていく、という計画だそうです。具体的に時期などは明記されておらず、今のところ該当するようなプロフィールは無さそうです(僕の検索が悪いだけかもしれません)。
このプロジェクトの目的は何か。記事ではこう解説されています:
While robots that can engage people have been produced before now, research suggests that humans lose interest - at most a few weeks after being introduced - as the behavioral repertoire of the machine is exhausted.
In a paper on the pre-print website Archive.org server, the researchers say they want to find out if this can be thwarted by giving humans and robots a pool of shared memories and if they are part of the same social circle of friends.
人間と交流できるロボットはこれまでにも開発されてきたが、ロボットが導入されて数週間経つと、ロボットの動作バリエーションが一巡してしまうので人間達は興味を失ってしまう、と調査は指摘している。
Archive.org のサイト上にある資料によると、研究者達の目的は、人間とロボットが思い出を共有することによって上記のような状況が避けられるのか、また同じ友人の輪に加わることができるのかを探ることである。
とのこと。ロボットというか人工知能に関する研究はどれもそうですが、なかなか哲学的なテーマのようですね。個人的には、やはり「同じ思い出の共有」というのは人間の心に響く要素だと思います。例えばどこかに無くしてしまったお気に入りのオモチャ、あまり泣きわめくので親に全く同じモノを買ってもらえたけれど、どこか以前の「彼/彼女」ではないような気がして興味を失ってしまった……という経験はないでしょうか。っていうか僕があるだけかもしれませんが、とにかく思い出があるかどうかというのは、非生物との間にどんな感情が生まれるかを左右する要素だと思います。
そいういえば、かつてSONYが発売していたロボット「AIBO」にも、勝手に写真を撮ったり日記を書いたりという機能が付いていました。彼らがその後どうなったのか、飽きずに家族の一員としての交流が続いているのか、そしてその中で「思い出が(目に見える形で)残される」という要素がどう影響を及ぼしたのか、調べてみるというのも興味深いかもしれません。
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