小ネタなのですが、なるほどな話なのでちょっとご紹介。クラブツーリズムという旅行会社が、高齢者向けに「歩かないツアー」を発売したそうです:
■ ~歩行時間を短くした、からだにやさしい旅をご提案します~『長い距離は歩きません!の旅』の募集を開始いたしました (※PDFファイル)
もともとクラブツーリズムの顧客は高齢者が多く、これまでも「バリアフリーお遍路」など、高齢者や体の不自由な方でも参加できる企画を開発してきたとのこと。で、今回発表になったのが「長い距離は歩きません!」というコンセプトの商品で、
従来のツアーにご参加いただいているお客様から多く頂戴している「観光地で長い時間歩くことへの不安」にお応えすべく、歩く距離をできるだけ短くしたツアーであり、また車いすや杖を利用されているため旅行へのご参加を見合わせていたお客様などにおすすめできる内容となっています。まさに、広く高齢者のお客様に安心をお約束するツアーでもあります。
「長い距離を歩かない」とは、「歩いても5 分以内には座ってお休みいただける場所がある」ということで、従来は観光地で、バス駐車場から長い距離を歩くような場合も、マイクロバスやタクシーで移動したり、また1 日の行程にゆとりを持たせることで早めに宿泊施設に到着するなどの工夫を凝らしています。
と、歩くことに不安を感じる人でも参加できるような設計がなされています。また単にクルマでの移動を多くするだけでなく、例えば長野県の高瀬渓谷を訪ねるツアーでは
通常は限定車両のみ通行できる渓谷の区間をバスの
到着に合わせて限定車のタクシーを利用し、高瀬ダムの目の前まで行きます
などの工夫がなされているとのこと。これならば「自分の車で行く」という以上のメリットが得られるわけですから、人気が出るのではないでしょうか。
一方で今日はこんなニュースも:
■ 75歳以上の25%「ほぼ毎日運転」 自工会調査 (NIKKEI NET)
日本自動車工業会(自工会)が実施したアンケートによると、75歳以上のシニアドライバーの25%が「ほぼ毎日運転」していることが分かった。高齢化が進む中、シニアドライバーの人口は増え続けており、今後は交通事故の発生率が高まる懸念もある。一段の公共交通の環境整備が重要性を増している。
高齢者は自動車の運転をしない、というのがいちばん安全なのでしょうが、大都市のように公共交通機関が発達している場所でなければ難しい話です。旅行先では「歩かない」で大丈夫だったのに、帰ってきたら自分で歩くか、事故のリスクに晒されながらも運転するかしかない……という本末転倒な事態が広まらなければ良いのですが。
コメント