Pew Charitable Trusts から Green Tech 関連のリサーチが発表されていますので、ご参考まで。いわゆる「グリーンな仕事」が米国のどこで生まれているのかを調査したものです(via Green Inc.):
■ Pew Finds Clean Energy Economy Generates Significant Job Growth (Pew Charitable Trusts)
一口にグリーンな仕事といっても様々な定義があると思いますが、この調査では"clean energy economy"(クリーンエネルギー関連産業、とでもいったところ)に従事する仕事とされ、さらに"clean energy economy"が以下のように定義されています:
According to Pew, “a clean energy economy generates jobs, businesses and investments while expanding clean energy production, increasing energy efficiency, reducing greenhouse gas emissions, waste and pollution, and conserving water and other natural resources.” It comprises five categories: (1) Clean Energy, (2) Energy Efficiency, (3) Environmentally Friendly Production, (4) Conservation and Pollution Mitigation, and (5) Training and Support.
Pew は"clean energy economy"を、「クリーンなエネルギーの創出を拡大し、エネルギー効率を高め、温室効果ガスおよび廃棄物の排出を削減し、公害の発生を抑え、水などの自然資源を保全する一方で、雇用やビジネス、投資を生み出すもの」と定義している。またそれを構成するものとして、次の5つのカテゴリーが存在している:(1)クリーンエネルギー、(2)省エネルギー、(3)環境に配慮した生産、(4)環境保全と汚染緩和、(5)トレーニングとサポート
具体的な職業名については、レポート本文(※PDFファイル)の43ページに掲載されている"Exhibit A1"を参照してみて下さい。
で、調査によってどんなことが明らかになったのか。リリースによれば、
The number of jobs in America’s emerging clean energy economy grew nearly two and a half times faster than overall jobs between 1998 and 2007, according to a report (PDF) released today by The Pew Charitable Trusts.
Pew Charitable Trusts が本日発表したレポートによると、1998年から2007年までの期間で、クリーンエネルギー・エコノミー内の雇用数は米国経済全体の雇用数よりも約2.5倍早く成長した。
とのことで、当然ながら「クリーンエネルギー・エコノミー」がここ10年で他の産業よりも成長しているよということが指摘されています。では具体的にどの辺りでグリーンな仕事が生まれているのか、というと:
こちらは32ページに掲載されている Exhibit 12。各州の全雇用数と、その中で「グリーンな仕事」が占める割合を示したものです(ちなみに全米平均の「グリーンな仕事率」は0.49%)。割合が高い州ほど緑が濃くなり、低い州ほど茶色が濃くなっています。ちなみに2007年時点で「グリーンな仕事率」が最も高かったのはオレゴン州の1.02%。実はオレゴン州は「グリーンステート」を売り文句にしており、太陽光発電産業などを積極的に推進しています(参考記事)。
さらにこちらは29ページの Exhibit 10。こちらは2007年時点での各州毎の「グリーンな仕事」雇用数と、1998年~2007年の期間の成長率を示したもの。さらに緑色で塗られている州は「グリーンな仕事」雇用数が多い州で、緑色の濃さは成長率の大きさ(濃いほど高成長で、薄いと逆にマイナス成長)を示しており、茶色で塗られている州は同雇用数が少ない州で、茶色の濃さは成長率の大きさを示しています。ここでもオレゴン州が良い成績を残していますが、テネシー州も濃い緑色で塗られているというのは、やはりTVA(テネシー・バレー・オーソリティー、ルーズベルト大統領の元祖ニューディール政策で生まれた米国最大の公営ユーティリティー企業)があることも影響しているのかもしれません。
その他、資料では公共政策やベンチャーキャピタルの重要性についても考察されていますので、興味のある方はぜひご一読を。
コメント