えー、知ってる人には「今更そんなこと」と言われてしまいそうな話をひとつ。Twitter の流行を目にして、日本国内の大手SNSやブログサービスもミニブログ型サービスをリリースしているわけですが、ケータイSNSの代表格「モバゲータウン」にも Twitter ライクな機能が存在しています。その名も「おたけび」:
■ モバゲーが本気でTwitter的サービスを開始 (らられぽーと)
全角140文字までのメッセージが投稿できる機能ということで、まさしく「モバゲー版Twitter」。いつ始まったのかちょっと分からなかったのですが、上の記事が書かれたのが2009年の3月ですから、ちょうど1周年を迎えるぐらいかもしれません。
以下は Twitter で言うところの「パブリック・タイムライン」に相当するもののスクリーンショット:
で、始まった当初は返信機能も付いていなかったようなのですが、現在は返信が可能になっており、まさしく「@+ユーザー名」という形で返信が表示されます(上のスクリーンショットでも、一番最後のメッセージが返信になっていますね)。さらに Twitter を摸した形になっているのが、「タグ」という機能:
これもまさしく Twitter のハッシュタグと同様で、「#+単語」という形式でタグが埋め込めるわけですね(ただし単語は全角10文字以内)。タグは日本語も使用できます、っていうか99%は日本語タグ。で、埋め込まれたタグはクリッカブルになり、上のスクリーンショットのように同じタグが設定されたメッセージを横串で見ることができると。
さらに Trending Topics に相当するコーナーもあります:
面白いのは「dB」という数値。そのハッシュタグを使ったメッセージがどのぐらい投稿されているかを示す値です(当然大きければ大きいほど話題。「おたけび」なのでデシベル表示という洒落なわけですね)。で、これで盛り上がっている話題を見つけて、そこに参加して一緒に遊べると。
ちなみに"「(ひらがな一文字)」+(著名な固有名詞)"というタグがたくさん登場していますが、これはケータイの予測変換機能で遊ぼうというもの。例えば「#「ド」クエスト」を見てみると:
と、当然ながら予測変換で何が出るかは人それぞれなので、様々な単語が登場して笑えるというわけですね。これはケータイSNSならではの文化、といったところでしょうか。
ということで、Twitter 上での情報流通経路を再現しつつも、ちょっと違う味が出ているモバゲータウンの「おたけび」。Twitter は若年層には定着しないという意見も根強くありますが、Twitter「型」のコミュニケーションという見方であれば、既に定着しつつあるのだと言えるかもしれません。
……と書いてからふと思い出したのですが、モバゲーも「高齢化」が進んでいるんですよね:
■ [OGC 2010]狙うは世界市場――「モバゲータウン」のディー・エヌ・エーが見据えるモバイルソーシャルゲームの今後 (4Gamer.net)
守安氏は,まず自身が運営を手がけるモバゲータウンの近況について説明する。モバゲータウンといえば,以前は10代の若い層を中心としたコミュニティを形成していることで知られたサービスだったが,ディー・エヌ・エー側の戦略転換の効果もあり,最近は,20~30歳代にユーザー層を拡大しているのだという。
約3年前は,過半数が10代のユーザーだったモバゲータウンも,1500万アカウントを超えた今では,7割が20歳以上のユーザーになっており,しかも30歳以上の割合が30%近いというから驚きである。一昔前のモバゲータウンといえば,20代ですら「馴染みにくい」と言われていた気もするのだが……。
いわゆる「ソーシャルゲーム」によって再び成長路線に乗ることに成功したモバゲータウン(参考記事)。その効果もあり、30代以上のユーザーが増えていることを考えると、「おたけび」をもって「若年層にも Twitter 型コミュニケーションが定着」と言ってしまうのは早計かもですね。ちなみに「おたけび」には検索機能も用意されていて、"Twitter"で検索してみると結構ヒットしたりして……。
< 追記 >
Twitter で「リツイートはないの?」というコメントがあったので追記しておくと、「転送」という名前でリツイート的な機能が用意されています。リツイートしたいメッセージにある転送メニューをクリックすると、そのメッセージを引用する形で「おたけび」投稿ができると。
ただ僕の見る限り、転送投稿はさほど行われてはいないようです。やはりニュースをシェアするというよりも、自分の状況や気持ちを伝えるという使い方の方が先にあるからかもしれません。ただこれも状況によっては(例えば有名芸能人が結婚したとか、逮捕されたとか)違ってくるでしょうから、ちょっと大きな事件が起きたときの「おたけび」界を見てみたいかも。
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