これはある意味で当然かもしれませんが、ちょっと興味深い発見があったというニュース。Twitter上に流れる大量のツイートを分析したところ(この手の研究が多くなりましたね)、文章のスタイルに「方言」が確認できるとの結果が出たそうです:
■ Twitter study finds accents alive and well (Washington Post)
これはカーネギーメロン大学の研究者らが行ったもので、分析対象となったのは2010年3月に投稿された38万件のツイート。で、地域によって書き方に差が出ることが確認されたそうなのですが、面白いのは「ツイート内で使われているボキャブラリーを調べれば、投稿者の居場所(というよりも出身地?)を300マイル以内の精度で特定できる」のだとか。
例えばこんな感じ:
You write, "Coo" in a tweet, you're probably from Southern California. If you opt for "koo," you're probably from up north. "Uu" means you likely hail from New York. "Yu" is from a more rural area.
もしツイート内で"coo"と書く人がいたら、その人は恐らく南カリフォルニア出身だ。"coo"ではなく"koo"と書いていたら、北部出身の可能性がある。"Uu"と書く人がいたら、ニューヨーク出身だろう。"Yu"ならばもっと地方部の人だ。
とのこと。当然ながら書き方にも地域の特色が出るわけですね。しかし会話と比べれば、「方言」が出る傾向は少ないだろうと思うのですが、研究者らは次のように考えているそうです:
Researchers found that Twitter was the ideal research zone, because of users tend to more casual, abbreviated vocabulary. "Written communication often is less reflective of regional influences because writing, even in blogs, tends to be formal, and thus homogenized," the study team said in a statement to Reuters.
研究者たちは、Twitterを理想的な調査領域だと考えている。というのも、ユーザーはよりカジュアルで、略語を含んだ発言を行う傾向があるからだ。研究チームはロイターに対し、次のように語っている。「文章によるコミュニケーションには地域差が反映されないことが多い。たとえブログを書く場合でも、文章はフォーマルなものになりがちで、同質化されてしまうからだ。」
ということで、同じ文章によるコミュニケーションといっても、Twitterはよりインフォーマルなもので、従って地域差が出やすいと。当然ながらユーザーによって違いはありますが、確かにツイートを書くときは、作文というよりも話し言葉をそのままテキストに置き換える感覚に近いですよね。いまの感情や、目の前で起きている出来事を即座に伝えたいという場合は特に、自分の素の部分が出やすい=出身地の話し言葉が出やすいのかもしれません。
これ、日本語でも分析してみて欲しいなぁ。しかし過去のツイートを分析して、「この人は~地域出身の可能性90%です」なんて結果が出せるようになったら怖いかも?
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