「気に入った商品/サービスをSNS上で紹介してもらう」というマーケティング手法はごく当たり前のものになりつつありますが、現実世界の中で「いいね!」ボタンや「+1」ボタンを設置するというわけにもいかない――と思いきや、RFIDとIDカードを組み合わせることで、現実にある様々な物品を「いいね!」できるという工夫が始まっています。
で、アイデア次第ではこんなこともできるという例がこちら:
■ With RFID wristbands, park guests instantly share photos on Facebook (Springwise)
米国のテーマパークチェーン"Great Wolf Lodge"で行われているサービスについて(現在はワシントン州Grand Moundにあるパークでのみ実施)。よくテーマパークに行くと、乗り物やイベントを楽しんでいる様子を撮影し、出口付近で購入することができるというサービスがありますが、ある意味でそのデジタル版と言えるでしょうか。
来場者にはRFIDが内蔵されたリストバンドが渡され、その中に来場者のFacebookアカウント情報が設定されています。で、パークの中に5箇所ある"Paw Posts"という場所でポーズを取ると、写真が撮影され、自動的に来場者のFacebookにポストされるという仕組み(キャプションは自動設定されるそうです)。もちろん来場者自身がiPhoneか何かで記念写真を撮り、そのままFacebookにアップするというのでも構わないのですが、この方がより手軽に楽しんでいる様子を伝えられるわけですね。で、パーク側にとっては当然のことながら、来場者の自然な表情をネット上に拡散できるというメリットがあると。
モバイル技術の発展により、リアルとバーチャルの境界線は限りなく薄いものになりましたが、それでもユーザーには「携帯端末を取り出して、操作して、電波のつながるところでアップロードして……」という手間をかけることが求められます。そこで企業側が一歩歩み寄れば、Paw Postsのような両者にとってメリットのある仕組みを構築することができるでしょう。テーマパークに限らず、様々な場面やサービスに展開できるアイデアではないでしょうか。
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