「メディアはメッセージ(The media is the message The medium is the message)」――このあまりにも有名な言葉を遺したマーシャル・マクルーハンは、1911年7月21日にカナダのアルバータ州で生まれました。つまり昨日がマクルーハン生誕100年。ということで、昨夜青山のアスタジオで行われた記念イベントに参加して参りました。上の写真はお土産として配布された、服部桂さん(@xirott)がBCCKSを通じて出版された本『マクルーハンはメッセージ』。100年にちなんで、マクルーハンの100の言葉がチョイスされて収められています。
というわけでいそいそと出かけたものの、正直な話、僕は「マクルーハンも言ってるように、メディアはメッセージなんだよ(キリッ」と恥ずかしげもなく言っちゃう程度の知識しかありません(笑)。映画『アニー・ホール』のワンシーンに出てくる、この脇役の男性のように:
そんなこんなで、昨夜は改めて「マクルーハンとは何者か?何を解明しようとしていたのか?」という点について整理することができ、勉強になりました。これでより自信をもって「マクルーハンも言ってたように……」というセリフが言えるというものです。もっともそこにマクルーハン先生がいたら、こう言われてしまうでしょうが。
"You know nothing of my work!”
「私の業績をちっとも理解していないじゃないか!」
実際の話、昨夜の登壇者の一人である中澤豊さんは、マクルーハンの議論が(メディアの理解だけでなく)ビジネスなどの面にも応用することができると解説されています。マクルーハンという「資産」を、私たちはほんの数パーセント程度しか活かせていないのでしょう。
例えば『マクルーハンはメッセージ』の中に、こんな一文が収められています:
ううむ、深い。今の日本の政治状況を考えると特に。最近どこかで「将軍は最後に経験した戦争を戦う」という内容の格言も目にしたのですが、私たちは現実に即して行動しているつもりで、実は過去を見ながら次の一手を考えているということが多いのかもしれません。マクルーハンがこういった言葉も遺していること、個人的には大きな驚き&発見でした。
「生誕100年だから」というのもミーハーな理由かもしれませんが、きっかけはきっかけ。せっかくの機会ですから、改めてマクルーハンの言葉を探検してみても面白いかもしれません。それが大きな発見であれ、大きな反発であれ、何らかの刺激を受けることは間違いないと思います。
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ちなみにマクルーハン生誕百年にちなんだイベントですが、秋にはカナダ大使館でも企画中とのこと。興味のある方は、続報をチェックしてみて下さい。
遅くなりましたが、ご出席いただき、かつご紹介までいただきありがとうございます。またこの件でもいろいろお話できるといいですね。
PS
the media is the messageは
単数です
media → medium
学者の先生は細部に厳しいので
投稿情報: 服部桂 | 2011/08/04 07:55
服部さん、こちらこそありがとうございました!すっかり楽しませていただきました。
そして
× The media is the message.
○ The medium is the message.
ですね。お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございます!
投稿情報: アキヒト | 2011/08/04 10:41