Twitterで世の中の動きを把握する――もはや珍しい発想ではなく、株価予測やカゼの流行把握など、様々な形で実用化が進んでいます。そして新たに医療の世界で、こんな活用が研究されているとのこと:
■ Scientists Use Twitter To Track Flu Shot Attitudes (HuffingtonPost)
ペンシルバニア州立大学の研究者、Marcel Salathéらによる研究成果について。彼らは2009年8月から2010年1月にかけ、インフルエンザ予防接種について語っている477,768件のツイートを収集、予防接種に対する態度を「肯定的」「否定的」「中立/無関係」の3つに分類を行ったそうです。また位置情報が含まれているツイートに関しては、それも含めて分析を行い、どの地域で摂取率が高いかを把握することが行われたとのこと。
その結果、予防接種に対して肯定的な態度を持ち、実際に摂取も行った住民が多かったのはニューイングランド地域だったそうです。また予防接種が導入された直後は否定的な態度が大きいものの、時間と共に肯定的な態度に変化していく傾向があることも確認されたのだとか。こうした分析の結果をどのように役立てるのつもりなのかと言うと:
"These results could be used strategically to develop public-health initiatives," Salathé, who is an assistant professor biology, said in a statement. "For example, targeted campaigns could be designed according to which region needs more prevention education. Such data also could be used to predict how many doses of a vaccine will be required in a particular area."
「こうした結果を戦略的に活用し、健康促進に向けた取り組みを開発することができるだろう。」生物学の准教授であるSalathéは、発表文の中でこのように語っている。「例えばどの地域で予防教育を進める必要があるか分かれば、その地域向けに特別にデザインされたキャンペーンを行うことができる。またこうしたデータは、特定の地域でどの程度ワクチンが必要になるかを予測することにも使えるだろう。」
とのこと。確かに日本でもワクチン不足が問題になったりしていますし、「ワクチンを受けなくちゃ」とつぶやいている人々が多い地域には多めにワクチンが回るようにする、といった行動へと結びつけることが可能かもしれません。さらに冒頭で述べたような「つぶやきからカゼの流行地域を把握する」といった分析とも結びつければ、より正確なワクチン需要を割り出すことができるでしょう。
ただこうした分析や対応が行われていることが知られてしまうと、「ワクチンを大量に回して貰うためにBOTで大量ツイートさせる」などというトリックを使う人が出てきてしまうかもしれません。ある程度基礎的な研究が進んだ後は、密かにとは言わないまでも、アルゴリズムを厳重に隠した上で分析を行うという対応が行われるようになるのでしょうね。
Twitter Perfect GuideBook 柳谷 智宣 ソーテック社 2011-10-22 売り上げランキング : 148273 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
コメント