POLAR BEAR BLOG

パリでブログイベント

先日の記事でお伝えした"Global PR Blog Week 2.0"が始まっています。今日からスタートして、 9月23日まで様々な記事がWEB上にアップされていくようですので、ぜひご確認を。

さっそく最初の記事"Blogs: Foundational Tools for Network Building"が公開されていますが、 著者のElizabeth Albrychtさんのブログによると、今年の12月5日・6日にパリでブログイベントが開かれるようです。その名も"Les Blogs 2.0"。

"Les Blogs 2.0" 公式ページ

フランス語だから複数形の定冠詞"Les"が付いて当然なのですが、Blogに"Les"が付くだけで、何となくオシャレな響きが （そう感じるのは僕だけでしょうけど）。とにかく、ブログは日米だけでなく、ヨーロッパでも流行しているようです（初回の"Les Blogs"には、1日で25カ国から250人の参加者が集まったとのこと）。

Cybozu.nite 1.0でSix Apartの関さんがお話しされていましたが、 これまではアメリカで流行したWEB技術が日本に輸入されるというパターンだったものが、 ブログに関しては日本で考え出されたサービスや使用方法がアメリカに輸出される、という例も多いとのこと。 こういったイベントで日本の事例が紹介されたり、また各国のイベントが連携してノウハウを共有したりと、 そういった事が将来普通に行われるようなることを願います。

ブログ関連ニュースをまとめて。

今日は面白いニュースがたくさん。とりあえず以下にまとめて、コメントは後ほど。

1. テレビブログ、記事と番組の映像シーンを連動--再生ソフトなど無償配布（CNet Japan）
2. 学生向けのブログサービスをゲッティが開始（ITmedia）
3. Blog を導入している企業、ユーザーからのイメージは「親しみやすい」？（Yahoo! News）

1.はメタデータとブログコミュニティという観点で興味深い。先日、スクエニがブログサービス買収？という記事を紹介しましたが、 テレビを中心としたブログコミュニティができるのなら、確かにゲームを中心としたブログコミュニティサービスというものも考えられるかも。

2.は「ブログの乗り換え」というポイントと、ブログサービスのセグメント化？について。 先日はライブドアが若年層向けブログポータルサービス開始という記事もあり、 過剰気味の無料ブログ＋関連サービスはターゲット限定を戦略とするようになるのか？

3.は消費者の観点から見たビジネスブログ。この結果が本当なら、更にビジネスブログを始める企業が増えそう。

Web Spam Summit

Technorati主催で、"Web Spam Summit"というスパム対策会議が開催されるようです。場所はGoogleの本拠地があるMountain View。

Announcing Second Web Spam Summit (WEBLOG)

ここで言う「スパム」には、コメントスパム、リンクスパム、トラックバックスパム、タグスパム、フェイクブログを含むとのこと。「フェイクブログ」は「スパムブログ」とも呼ばれています。Rauru Blogさんにスパムブログに関する記事がありますので、リンクさせていただきます（Spam Blogを巡る戦い）。「タグスパム」というのは僕は初耳なのですが、ターゲットとするサイト（恐らくギャンブル、ポルノ関連）にありとあらゆるタグを貼ることで、タグ検索に引っかかりやすくするような試みでしょうか。いずれにせよ、スパムはいまやEメールだけでなく、他のあらゆるWEBコミュニケーション技術にまで進出しているわけです。

参加企業はAsk Jeeves、Feedster、Google、Microsoft、Six Apart、Tucows、 WordPress、Yahoo!という錚々たる顔ぶれですので、実効力のある対策が検討されるのではないでしょうか。残念ながらbroadcastは行わないとのことですが、ここで討議された対策が早急に実施されるよう願います。

テクノラティが携帯電話向け「テクノラティモバイル」開始

速報です。先日のデジタルガレージのカンファレンスで発表されていた 「テクノラティモバイル」のベータ版がリリースされました。

ケータイからでもブログ検索--テクノラティが携帯電話向け「テクノラティモバイル」（CNet Japan）

テクノラティモバイル（ベータ版）

Feedsterの日本進出表明、Ask.jpのブログ検索サービス開始、Google Blog Searchのリリースなど、にわかに競争が激しくなったブログ検索サービスですが。いよいよ本家テクノラティ（ジャパンだけの動きのようですが）の反撃開始といったところでしょうか。

ちなみに先日のカンファレンスでは、テクノラティ・ジャパンへのタグ機能導入についても（非公式ですが）言及がありました。僕はモバイルよりも、タグ機能こそテクノラティ差別化のキーだと思っていますので、こちらの方も早く実現することを期待しています。

ライブドア、出会いを提供する若年層ポータル「チェリーブログ」--シニア向けも

ライブドアの新しい事業展開のニュース。

ライブドア、出会いを提供する若年層ポータル「チェリーブログ」--シニア向けも（CNet Japan）

チェリーブログのトップページはこちら。 以下はそのスクリーンショットですが、若年層向けということで、かなり可愛らしいデザインになっています。

各年齢による検索ができるところが１つのポイントでしょうか。高校生以下の子供達の生活は、学校の学年によって定義されています。 大学受験や高校受験、修学旅行や運動会・学園祭など。「自分と同学年の人のブログが探せる」あるいは 「来年自分がその立場になる人のブログが探せる」という点で、細かい年齢別分類は若年層にとって魅力的だと思います。

と言いつつ、僕が気になっているのは「シニア層向けサービスを開始する予定」という一文だったりします。ブログにとって、 シニア層はまだまだ未開拓の市場です。ＩＴリテラシーという点で開拓が難しい面はあるでしょうが、逆に各社のアイデアを生かした （専用ヘルプデスクを設ける、インターフェースを工夫する、「渋い」ブログスキンを用意するなど）差別化が図りやすいのではないでしょうか。 ライブドアだけではなく、他社の参入も期待したいところです。

シニア層は豊かな人生経験を持っているのですから、彼らこそ本当にブログの価値を引き出すことができると思います。少なくとも 「ちぇりーぐまのラブラブ日記」なんてブログよりも「八重山のおばあちゃん日記」の方が面白いと思うのですが・・・。ところで日本/海外問わずに、 世界最高齢のブロガーって誰なのでしょうか？

スクウェア・エニックス＋ブログ＝？

スクウェア・エニックスと言えば「ファイナル・ファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」 シリーズなどの人気ゲームで有名なソフト会社ですが、ブログサービスへの進出も考えているとのこと。

Ｍ＆ Ａはタイトーで終わりではない＝スク・エニ（ＳＤＤ研究所「Ｍ＆Ａと経営」 価値志向のマネジメント）

現在タイトーへのTOBを進めているスク・エニですが、 これからもM&A戦略を継続していくことを明言し、その対象として「コミュニティ」、特に「 オンラインゲームのコミュニティだけではなく、ブログやオークションも含めて」 考えていることを明らかにしました。

そもそもタイトー買収の目的についても、 和田洋一社長は次のように語っています。

 

利益率の低いタイトー買収のねらいについては、「携帯やテレビのコミュニティはバーチャルだが、   ゲームセンターのように物理的な場所を確保するのは重要だった」と説明した。

バーチャル/リアルを問わず、「コミュニティ」を広げるための手段として、ブログサービスを視野に入れているようです。

スク・エニのゲームソフトと、 ブログを始めとしたオンラインコミュニティの間でどのような連携を図っていくかは具体的には明らかにしていませんが、アメブロとカプコンのタイアップや映画 「スパイダーマン２」のブログスキン配布のように、 ゲームソフトのプロモーションの一環にブログを組み込むというのは十分に考えられます。

個人的には、プロモーションのレベルで終わらずに、 リアル/バーチャルを融合した広範なコミュニティを築くモデルを提示して欲しいと思います。

Global PR Blog Week 2.0

ブログについてのオンラインイベントが開催されます（ただし英語）。期間は9月19日から23日までで、参加費は無料、 特にメンバー登録なども必要無いようです。

Global PR Blog Week 2.0

ブログについてのケーススタディーやインタビューなど、合計70もの記事が投稿される予定とのこと。プログラムを見ると、 「Internal Blog」「Blog Monitoring」「Customer Generated Marketing」 など面白そうなタイトルがずらりと並んでいます。来週月曜日が待ち遠しい。

Google vs. Technorati の行方は？

既にお知らせした通り、Googleがブログ検索サービスをスタートさせました。ちなみにインターフェースは"Google-style interface"と"Blogger-style interface"の2つが用意されていますが、検索結果は変わらないとのこと（詳しくはGoogle Blog Search Helpをどうぞ）。

キーワードとの関連性でソートできたり、投稿者や記事のタイトル、言語で検索結果の絞込みができたりと、通常のGoogleと同じ感覚で使うことができます。またBlogger-styleの方では、各検索結果に「このブログの中を同じキーワードで検索」「このブログの全エントリーを表示」という２つのボタンがつけられています。またSpeed Feedでも指摘されていますが、何と言っても検索が早い。Technoratiの遅さに辟易していた自分にとっては、まさに待ち望んでいたサービスとなりました。

これで主なブログ検索ツールとして、Google、Technorati、Ask.jp、そして日本進出が決まったFeedsterなどが出揃いました。 Ask.jpは本日サービスインでインデックス作成の途中（すなわち検索できるブログが少ない）なので、しばらくはGoogle vs. Technoratiが注目を集めるのではないでしょうか。

タグ付けや「Blog Finder」といった独自の機能で勝るTechnoratiか、検索技術のノウハウで勝るGoogleか。それぞれ差別化して共存して欲しいと思いますが、あえて「どちらがスタンダードとなるか？」と考えると、僕はやはりGoogleだと思います。理由①はまずなんといってもその速さ。いまはあまりにも差があります。せめてTechnoratiが安定してサービスを提供できるようにならないと、気の短いネットユーザー達はGoogleに流れてしまうでしょう。

理由②は知名度。ブログ検索はまだ知名度の低いサービスです。この状況でGoogleがスタートを始めたとなると、多くの人が「あれ？ Googleに新しいサービスが追加されてる。ブログ検索なんて始めたんだ」という経験をし、ブログ検索＝Googleという図式が頭の中に出来上がるでしょう。これらの弱点を打ち消すような独自機能（しかもGoogleが容易に真似できないような機能）を持たない限り、TechnoratiがGoogleに勝つことは難しいと思います。

個人的にTaggingとその派生機能（Blog Finder）は差別化になると思うのですが。Technoratiによれば、既に2000万個以上のタグがさまざまなブログに貼られています。タグは母数が多ければ多いほど価値が高まる仕組みであり、たとえGoogleにタグ付け機能を真似されたとしても、しばらくはTechnoratiのタグの方を利用する人が多いでしょう。そのためには、タグ機能の価値が多くの人に理解されている必要がありますが・・・。

ブログ検索というフロンティアを切り開いてきたTechnoratiには、ぜひとも頑張って欲しいと思います。それからテクノラティ・ジャパンさん、早くタグ機能を日本版でも実現させて下さい！

追記：
ITMediaで速報記事が出ましたので、リンクしておきます。

Google、ブログ検索のβ版立ち上げ（ITMedia）

日本発のブログ検索エンジンが登場

テクノラティ・ ジャパンや日本進出を決めたFeedsterの競争相手となるか？ 国産ブログ検索サービスが登場というニュースです：

アスクジーブス、 ブログ検索サービスを開始--1分ごとに最新記事を反映（CNet Japan）

ブログ検索には、独自開発した専用エンジンを使用しているそうです。また特徴としては次のようなものが：

1. スピード

インデックスの更新を1分ごとに行っているそうで、「場合によっては、書き込まれてから数秒で検索結果に表示されることもあり、 現状ではおそらく日本で最速の更新頻度ではないだろうか」とのこと。

2. 「人気ブログ」」機能

通常の検索結果は逆時系列（更新日時が新しいものを上に）で並べられて表示されますが、有名人などのブログは「人気ブログ」として、 トップに表示される。

3. 検索結果の絞込み機能

「画像あり」「Podcast有り」という条件で、検索結果を絞り込むことが可能。

4. Bloglinesとの連携

検索結果画面では、個々の結果に「Bloglines」ボタンが表示されている。 Bloglinesアカウントを持っていてログインしていれば、このボタンをクリックするだけで自分の「Myフィード」 に登録されるとのこと。

以上、主な特徴でした。

面白いのは「人気ブログ」という概念を登場させたことでしょうか。あるブログがどの程度のオーソリティ、 すなわち信頼度や権威を持っているかという点は、今後ますます重要になってくると思います。例えばテクノラティ（本家版）では 「あるブログに向けて貼られたリンクの数が、そのブログのオーソリティを示す」というコンセプトで「Blog Finder」サービスを展開しています。 しかし被リンク数＝信頼度とは必ずしも言えないですし、場合によっては違う基準（政府関係/法人/個人などといった「ブロガーの属性」など） で探したい人もいるでしょう。

アスクジーブスのように、誰かが恣意的に「読むべきブログ」を認定するのも１つの方法でしょう。ただしその場合は、そのブログが 「人気ブログ」として認定された理由を示すべきだと思います。現状では「『真鍋かをり』で検索→真鍋かをりのブログが「人気ブログ」 として表示される」といったように、単純に「有名人が書いているブログ＝人気ブログ」となっているようですが。

いずれにせよ、ブログ検索エンジンはブログ界において、「どのブログが読まれるか」を決定する権威のような存在です。 数多くのサービスが登場し、数多くのアルゴリズムが揃うことで、消費者に選択権がもたらされることになります。今後も多くの企業が、 この分野に参入することを願います。

キュレーター・ブログ

僕の妻は美術館で仕事しているのですが、美術館のキュレーターがブログを書いたら面白いではないでしょうか？公開中の展覧会について説明したり、今後の企画展を宣伝したり。発信すべき情報はたくさんあると思うのですが。

そう思って探してみると、「美術ブログ」というサイトを見つけました。その名の通り、美術関係のブログを集めたサイトのようです。しかしこのサイトを探ってみても、アートが趣味の人や美大生などのブログしか見つかりません。大きな美術館なら、既にブログを始めているところもあるだろうと思ったのですが・・・

個人的には、キュレーターさんが展示中の絵について一枚一枚、丁寧に説明してくれたら嬉しいと思います。子供連れだとなかなか美術館には行けないですし、たとえ行けたとしても、混雑してる展覧会が多くゆっくり鑑賞できるのはまれですからね。海外では「美術館ブログ」ってものはあるのでしょうか。ちょっと探してみたいと思います。