TechCrunchの記事によると、紙媒体の方のRed Herringに「Yahoo!が次に買収するのはTechnoratiなんじゃないか?」という記事が載ったみたいです:
When Will Yahoo Acquire Technorati? (TechCrunch)
Yahoo!が積極的にベンチャー企業を買収しているので、次はどこか?と推測する記事だそう。で、候補に挙げられたのが37 Signals、MeasureMap、Digg、YouTube、そしてTechnoratiだったと。中でもTechnoratiが最有力候補、と位置付けられているみたいです。
TechCrunchのMichael Arringtonもこの推測に賛成してて、Yahoo!はTechnoratiを買収すべきとまで言ってます。その根拠は、①Yahoo!はFlickrとDel.icio.usという「それぞれの分野でタグ機能の普及に貢献したベンチャー」を既に買収しているのだから、ブログへのタグ付けでスタンダードとなりつつあるTechnoratiを買わない理由はない、②Technoratiは2004年夏を最後に資金調達しておらず、そろそろ追加資金が必要になるはず、③Yahoo!のブログ検索がイマイチなのに対して、Technoratiは最近のアップグレードにより最高のブログ検索となっている、という3点。
確かにFlickr、Del.icio.us、そしてWebJayを買収したYahoo!ですから、Technoratiを買収しても驚きではないでしょう。しかしYahoo!はいまだにブログ検索をニュース検索の一部としていますし、どうも「ブログ検索」を重視しているとは思えません。優れたブログ検索技術が欲しいからTechnoratiを買う、という理由は少し違うかなという気がします。
またTechnoratiにとっても、Yahoo!に買収されることは得策ではないかもしれません。例えば上記の通り、ブログ検索が独立したページとならなければ、アクセスする人はぐっと少なくなってしまうでしょう(これはGoogleのブログ検索がいまいち盛り上がらないのと同じ理由だと思います)。またYahoo!は法人向けのブログホスティングを始めましたし、Yahoo! JapanやYahoo! Koreaなど、一部の地域では個人向けブログASPにも取り組んでいます。プラットフォームと検索サービスが一緒になっていると、自社ブログの記事を優先して表示するのではないか--という偏見がユーザーの間に広まる可能性もあります。たとえ追加融資が必要な状況だったとしても、TechnoratiがYahoo!に買収されることを望む可能性はそれほど高くはないのでは。
そんな訳で、僕はTechnoratiよりもYouTube辺りがYahoo!の次の買収先なんじゃないかなと思います。Diggを買うのはYahoo! Japanが2ちゃんねるを買うようなものだし。個人的にはMeasureMapを買収してもらって、インフラを強化してもっとスムーズに動くサービスにして欲しいと思うのですが。
2006年はWeb 2.0企業の整理統合が進む、という予測をしている人は多いですから、Yahoo! - Technoratiという組み合わせではなくても、意外なベンチャーが大企業に買収されるという事態が続発するのかもしれません。2006年末には"2006 Top Ten Web 2.0 Shutdown"や"Top Ten Web 2.0 Acquisition"なんて記事がBlogosphereに溢れているのかも。
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