誰もが欲しがる専門知識が、あなたの頭の中に隠されているとしましょう。その専門知識をどうやってお金に換えますか?講演会を開いて講演料を貰う・コンサルタント契約を結ぶ・本を書いて売るなどなど様々な方法がありますが、WEBを使った新しい「知識の売り方」がサービス化されたという記事:
Super-Stealth Ether to Launch Tonight (TechCrunch)
おなじみTechCrunchの記事(Michael Arringtonがバケーションから復帰)。Etherという名前で、現在はクローズド・ベータの最中なのですが、公式ページとTechCrunchに詳細な解説が載っています。それによると、
- Etherに登録すると、個人ごとに電話番号(1-888-MY-ETHERに続くextension number)がもらえる。
- 自分の専門知識に対する値段を設定する(下の画面イメージのように、時間による課金方式となっている)。
- 後はその番号を通じて質問を受けるだけで、設定した報酬が懐に入る。いつ電話を受けるか/受けないかは自由に設定が可能。
- 電話を受けた場合のみ、Etherからコミッションを請求される(15%、ただしベータテスト参加者は10%)。その他の登録料・会費などは発生しない。
- 電話の他に、「Eメールで相談を受けて報酬を得る」「WEB上のコンテンツを売る」といったサービスも提供している。
- 知識を買う側に対しては、価格や評価などの条件から売り手を捜す検索機能が提供される。
とこんな感じ。ちなみにScobleizerでもEtherについてコメントされてます:
Ether to open up services (Scobleizer)
Scobleには好評のようです。確かにScobleに直接、しかも手軽にコンサルティングしてもらえるというのであれば、Etherを通じてScobleにコンタクトを取りたいという人は多いでしょうね。時間単位の課金、という部分が「人月」というイヤな概念を連想させるのですが、簡単なアドバイス程度のものを売買すると考えれば、シンプルで分かりやすいかもしれません。
これまでもQ&Aサイトなど、オンライン上で自分の知識をお金に換える仕組みはありましたが、より直接的な(現実に近い)仕組みでそれを行おうとするのがEther、といったところでしょうか。被リンク数や他者からの評価など、オンラインでオーソリティを測る仕組みはある程度確立されてきていますから、今まで会ったこともない人にいきなりEtherのような仕組みを通じてコンサルティングを依頼する、ということも今後は増えて行くのかもしれません。
ただ僕が一番気になったのは、Etherが「WEBサイトのコンテンツを売る仕組み」を提供しているという点。Etherで誰でも手軽に課金できるようになったら、例えばGoogleで「ユビdeコミミハサンダー」と検索したときに、上位に表示されたサイトにジャンプしたら「この件についてもっと詳しく知りたければ、Etherを通じて僕に100円払ってね」といった経験をすることが増えるのでしょうか。スポーツや音楽など、専門的知識を持っている人がたくさんいる分野なら無料で知識を提供してくれる人を探せばよいのですが、「ユビdeコミミハサンダー」のことについて語ってくれる人はなかなか見つけられそうにありません。時間が無いときには「100円なら払ってもいいか」ということになるような気がします。
そのうちGoogleと統合して、Googleの検索結果に「このリンク先は課金コンテンツに設定されています--ジャンプするには$10必要です--支払いはGoogle Paymentで」なんて表示が出るのかも(そしてGoogleにコミッションが支払われる、と)。
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