僕は初めて知ったのですが、日常の洗濯を代行するサービスが登場しているそうです。2005年3月のスタートということですから、既に1年の実績を持つサービスです:
■ 新発想で勝負 -- 日々の洗濯、すべて代行 アピッシュ(日経流通新聞 2006年4月10日第9面)
有限会社アピッシュが運営するWASH & FOLD(ウォッシュ&フォールド)というサービスで、下着や靴下といった日常の洗濯物(洗濯機で洗える衣料品全般、ただしスーツのドライクリーニングサービスは実施)を対象にしています。洗濯物の集荷、洗濯、折り畳み、配送までを一貫したサービスで行い、約2日間で洗濯・配送してくれるとのこと。料金は洗濯物の内容や重量を問わず、専用のバッグ1つ分(一人暮らしの洗濯物で約2週間分の目安)で2,400円だそうです。
このサービスのポイントを挙げるとすると、こんな感じでしょうか:
- 基本的に通常の洗濯機で洗える洗濯物のみを対象にしており、サービスにかかる設備費が低く抑えられている。さらに記事によれば、店に設置してあるセルフコインランドリーの利用料と店が利用する際の料金の一部をメーカーに渡すことで、洗濯機器を無料で借り受けているとのこと。
- 通常のクリーニング店のように、洗濯物の受け渡し時に内容の確認を行わない。また通常の洗濯機で洗える洗濯物のみを対象にしているため、特殊な技術を持つ人員を必要としない。従って人件費を安く抑えることができる(1店舗約100万円程度とのこと)。
- 上記の要因から、サービスを手頃な価格で提供することに成功している。
- 設備投資・材料費が低く抑えられ、人材の確保も容易なため、FC展開も見込める。
- 「WASH&FOLD」というネーミングや、店舗をカフェのようなオシャレな雰囲気にすることにより、「クリーニング屋」という古いイメージを脱却している。
あくまでも記事の内容から把握しているだけですが、「普通の洗濯物」というポイントに絞り込むことで、非常にローコストな運営ができているようです。「減らす」ことでコスト構造を改善すると共に、新たな価値を見出すというアイデアの好例ではないでしょうか。
今、「メイド」が本来とは違う意味で流行していますが、メイド/家政婦/お手伝いさんという従来からある「生活アウトソース」サービスを細かく分解し、その1部分(普通の洗濯物の洗濯)をごく安く提供することで成功したサービス、と認識することができるかもしれません。そう考えると、「限定的生活アウトソース」という発想からまた別の事業も発想できるのではないでしょうか。
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