SNS乱立の状況は相変わらずで、毎日1コずつ新しいSNSが生まれている、と言っても過言ではないかもしれません。最近は全てをチェックする気力も無いのですが、このSNSだけは興味を惹かれました:
■ 日本にも上陸のSNS「マルチプライ」--その特徴は?(CNET Japan)
Multiply というアメリカ発のSNSについて。とりあえず差別化ポイントとして力を入れているのが、「人間関係を詳細に設定できる」という点。友達として登録するユーザーには、以下のようなカテゴリ/サブカテゴリに分類が可能です:
- 友達
- 友達
- オンライン・バディ
- 婚約者
- ガールフレンド/ボーイフレンド
- ルームメイト
- ご近所さん
- 女子学生社交クラブ・男子学生の社交クラブの仲間
- クラスメート
- 家族
- 妻/夫
- 母/父
- 姑/舅
- 娘/息子
- 義理の娘/義理の息子
- 姉・妹/兄・弟
- 義理の姉・妹/義理の兄・弟
- 祖母/祖父
- 孫
- いとこ
- またいとこ
- 叔父・伯父/叔母・伯母
- 姪/甥
- 継母/継父
- 継姉・継妹/継兄・継弟
- 継娘/継息子
- 元妻/元夫
- 家族の友人
- 遠い親戚
- 他の親戚
- ライフ・パートナー
- 仕事関係の人
- 職場の同僚
- 上司
- 同業者
- 従業員
- ビジネス・パートナー
- 取引連絡先
とまあ、こんなの普通設定しないだろ!(別れた妻・夫など)というカテゴリまで用意されています。このカテゴリを利用し、「親しさをインデックス化」したものを検索結果表示に反映できるのだそうですが、正直そこまで詳細に人間関係を設定するかどうかは疑問に思います。また、「複数のカテゴリに設定したい場合(同僚であり妻である場合とか)はどうするのか」「そもそも『役割』というものだけで人間関係を規定できるのか」「現実世界の人間関係をネットに反映すべきか/反映したいとユーザーは願っているのか」といった点も考えなければならないポイントではないでしょうか。
実は僕が興味を持ったのはカテゴリ機能ではなく、アカウントを取得した際に表示されるこの画面:
画面下半分に他サービスのアイコンが表示されているのが分かると思いますが、実は他のSNSやメールアカウントから、登録されているユーザーを引き継ぐことができるようになっています(引き継ぐというより、正確には「招待メールを出す」という機能ですが)。例えば mixi を選択し、ID(設定してあるメールアドレス)とパスワードを入力すると、マイミク登録してあるユーザーが写真と共に一覧表示され、「このユーザーに招待メールを出す/出さない」を選択することができます(招待メールを出す場合には、同時に上記の「カテゴリ」を設定可能)。
例えば「mixi に疲れたから脱退したい、けど親しいマイミクとは関係を続けたい」という場合には、この「引継ぎ」機能が活用できるわけです。実際にはコミュニティやこれまでのメッセージのやりとりなど、「引き継ぎたいけど引き継げない」ものはたくさんあるのですが、これだけでもSNSの引っ越しに発生する「心理的スイッチングコスト」はずいぶん軽減されるのではないでしょうか。
SNSの乱立状況が続き、mixi や GREE に限らず長く続くSNSが増えてくれば、「新しいサービスに引っ越したい」「あるSNSで積み重ねた関係を別のSNSにも持ち込みたい」というニーズは強くなるでしょう。今回の Multiply が導入したような仕組み(もしかしたら別のSNSが開発したものかもしれませんが)は、今後改良・進化が進んでいくと思います。
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