「パーソナライゼーション」というとWEBアプリケーションかポイントカードか、といった感じですが、最近は喫茶店にまでその波が押し寄せてきているのだとか:
■ なぜなぜ繁盛店 -- 一服中に好みの焙煎 喫茶店文化の復権願う(日経流通新聞 2006年9月13日 第3面)
紹介されているのは東京都大田区のコーヒー店「パライッソ」。輸入食品商社の石光商事が運営するお店で、チェーン店に押され気味の「喫茶店」を応援するためにスタートしたとのこと。このお店がどんな風にパーソナライゼーションを実現しているのかというと:
- 店内に30種の生豆を準備。
- 焙煎により各生豆がどんな味(コクの濃度と酸味の強弱)になるのか、簡単に確認できる「パライッソ・チャート」を設置。また専門アドバイザーも設置し、パライッソ・チャートと合わせ、お客が自分の好みの味を発見できるようにサポート。
- 「コンピュータ制御で560通りの焼き加減を可能にするトルネード焙煎機」を設置。この機械に好みのデータを入力すると、毎回正確な焙煎状態のコーヒー豆が完成。
という具合です。現在、クチコミで話題が広がっているのだとか。
実際にパーソナライゼーションを実現しているのはコンピュータ制御のトルネード焙煎機なのですが、ポイントは「パライッソ・チャート」と専門スタッフによるお客様の好みの「見える化」ですね。これにより、お客様にとっては自分の好みが明確化され、「データに従って常に同じ味を再現してもらえる」という安心感が得られることになります。またお店にとっては、従業員のカンと経験+お客様の曖昧な表現に頼る部分をなくし、「これって前と同じ味になっているの?」という不信感を回避できるという利点があります。焙煎機は最後の生成の部分をサポートしているだけであって、そこに至る「個人化」の部分はチャートとアドバイザーが担っているわけです。
そう考えると、たとえ「コンピュータ制御で何百種類もの状態が再現できる」という機械が無かったとしても、リアルでもパーソナライゼーションの重要な部分を実行できるのかもしれませんね。自分のビジネスが扱っている商品/サービスに対して、「パライッソ・チャート」を作るとしたらどうなるだろうか・・・と考えてみても面白いかも。
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