以前、旅行用カバンを「○日分の旅行に最適」という表現で売り出しているのを見かけたとエントリしたことがありました(参照:情報単位としての時間)。それに似た事例を雑誌で読んだので、ちょっとコメント:
■ 夏限定の無料配布で、いきなり読書家が急増?(PEN 2006年10月15日号)
イタリア・ローマの地下鉄で行われた「ブック・ジュークボックス」とでも言うべき事業について。これはローマ市内の地下鉄駅25ヶ所に、本を無料配布するスタンドを設置するというもので、詩や推理小説など13作品・30万部が無料で配布されたそうです(今年7月末で終了)。発案は非営利団体の「ラボラトリーE20協会」で、目的は文学の振興・新人発掘にあるのだとか。
面白いのは、表紙に「4~5駅用」」など読み終えるまでの乗車区間の目安が記されている点。例えば8ページ程度の本は4駅用、といった具合に表記されているそうです。東京で言えば、さしずめ新宿から四ツ谷まで(総武線で)といったところですね。
本を配布する目的が「文学の振興」ならば、この仕掛けは非常に有効なのではないでしょうか。通勤の時間で読み終わる、あるいは往復・数日で読み終わると分かっていれば、手に取ってみる人は多いと思います。それをきっかけに好きな作家・ジャンルを見つけて、別の作品も読んでみようということになるでしょう。
例えば事前に「新宿→四ツ谷間で読み終わる作品、ジャンルはSF」などのように指定しておくと、毎日該当する作品を携帯用端末にダウンロードしてくれるサービス、なんてものがあったら面白いのではないでしょうか。もしくは(前から書いていますが)「新宿→四ツ谷間で読み終わる分量に圧縮された、今日の注目ニュース」などといった方向に発展できるかもしれません。そう考えると、「○○駅分」というのはなかなか便利な計り方なのではと思います。
さて、今日で3連休も終わり。明日からまた通勤なので、カバンに何か本をセットしておかないと・・・。
< 追記 >
そういえばこの記事を読んでいてふと気になったのですが、「R25・小説版」のような無料誌って存在しているのでしょうか?
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