アメリカで、ニコンが面白いマーケティング・プログラムを展開しているそうです:
■ eBay and Nikon exemplify the use of modern media marketing (The Intuitive Life Business Blog)
ニコンの話が出てくるのは下半分。記事によると、Flickr を活用した以下のようなプログラムを実施したとのこと:
- Flickr にアップされている写真をチェックし、Nikon D100 を使っているユーザーを探す。
- 彼らに Nikon D80 をタダでプレゼント(全てのD100ユーザーではなく、何らかの選別が行われた模様 -- 当然ですね)。
- D80を贈ったユーザーに、それを使って良い写真が撮れたらニコンに送るように依頼。
- 彼らから送られてきた写真をまとめた"Stunning Nikon"というサイトをオープン。
という内容で、要はD80のイノベーター/アーリー・アダプターになってくれそうな人を Flickr を使って探し出し、彼らがイノベーター/アーリー・アダプターとしての役割を果たすようにサポート(無償プレゼント、画像PRサイト開設)したということですね。
ちなみにこちらは、Heather Waraksa さん(Flickr ID: picture_bunny)という方の写真。なるほど、確かに「こんな写真が撮れるかも!D80欲しい!」という気にさせられます:
新製品を最初に使ってくれそうな人、クチコミの発信源になってくれそうな人に新製品をプレゼントするという手法は目新しいものではないのですが、それを Flickr というCGMを通じて行うという点が面白いですね。
以前、画像共有サイトから意外なマーケティングデータが生まれている、というエントリを書いたことがありました:
■ 共有サイトの意外な効果 (POLAR BEAR BLOG)
今回の Nikon Stunning も、CGMを新しい形でマーケティングに用いたものではないでしょうか。ユーザーからの様々なデータが集約されたCGMでは、その本来の目的を超えたところで、企業活動への転用が活用が可能になるということを示していると思います。
最近 Flickr では、アップした画像に位置情報を簡単に設定することが可能になりました(詳しくは Flickr Blog "Great shot - where'd you take that?"をどうぞ)。そうなると、例えば「最近バリのウブドを訪れた人(最近ウブド近辺の位置で撮られた写真をアップロードしている人)をピックアップし、彼らに写真と観光情報を提供してもらうように依頼する」などといった活用も可能になるのではないでしょうか。以前のエントリでも書きましたが、そういったデータを簡単に検索する・大量に処理するといった機能を企業に有償で提供することが、CGMサイトの収入源の1つとなっていくのかもしれませんね。
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