一風変わった航空券予約サイトが New York Times で紹介されていました。「(空の上の)旅の中身」も考慮して、チケットを提案してくれるサービスとのこと:
■ A Web Site Tries to Redefine Value (New York Times)
紹介されているのは"InsideTrip"というサービス。文字通り「旅の(Trip)中身(Inside)」を連想させる名前なわけですが、実際に検索した画面を見てもらった方が早いかもしれません。以下はテスト的に、ボストン発-成田着というチケットを検索したところ:
中央に価格と共に表示されている行が、個々のチケットを示します。「近接する空港から出発する便も含める」というオプションにしたため、先頭の行はプロビデンス発-成田着という便になっていますが、最後尾に点数が付いているのが分かるでしょうか(この便の場合は76点)。これがチケット価格以外の「中身」を考慮した上で算出されたポイントで、「座席の足回りの広さ」「混雑する可能性」「荷物が無くなる可能性」など12の要素から計算されているとのこと(ちなみに100点が満点)。
ちなみに以下の通り、詳細を確認することもできます。これは上から3番目の行の詳細を表示させたところですが、この案だと、「快適性」の要素が高いという結果になっていますね:
これだと最初の案と比べて15分ほど旅行時間が長くなりますが、価格は一緒。ならば機内でくつろげて、他の乗客が気にならない程度の混み具合(になる可能性の高い)便の方がいい――などという判断ができます。「とにかく格安チケット!!」という方(含む自分)には無用なサービスですが、少しでもこだわりたい要素がある(ex. 過去に荷物を紛失されてイヤな思いをしたことがあるので、信頼できる航空会社じゃなきゃヤダ)、という方にピッタリのサイトかもしれません。
実はこのサービス、以前もご紹介した航空運賃比較サイト"Farecast"にも関わっていた人物の手によるもの、とのこと。Dave Pelter さんという方で、旅行業界に17年携ってきたそうですから、利用者が何を気にするのかは把握しているということなのでしょうね。
昔であれば、「定性的」と見なされるような要素まで集めてきて、それを考慮した提案を行うということは不可能だったでしょう。しかし現在は意外なものまでデータ化され、さらに意外と簡単にそれを手に入れられる時代。この状況を上手く利用したのが"InsideTrip"なのではないでしょうか。他の分野でも、「この要素を含めた形で検索ができるサービスをつくりたいんだけど、無理だよな」と勝手に却下してしまっているアイデアを考え直してみれば、実は新しいサービスとして実現できるのかもしれません。
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